第21〜25回「朝雨は女の腕まくり?」(第5週)
贈収賄の容疑で逮捕された寅子の父・直言。
突然のことに戸惑う猪爪家の元に訪ねてきたのは、花岡と穂高教授。
「私にやらせてくれないか」
穂高は直言の弁護人を買って出てくれた。
「一緒に直言くんを助けようじゃないか」
共和事件。内閣は総辞職。
逮捕には、それを画策した黒幕の存在があった。
直言が逮捕されてから4カ月。予審が終わり、16名の被告全員が裁判にかけられることに。
新聞には直言が「罪を自白した」とある。罪を認めた直言は、自宅で裁判を待つ身となった。
帰宅したその日、崩れ落ちるように家族に土下座をする。
予審で罪を認めた以上、それを覆すことは極めて困難なことだった。
「父は本当に罪を犯したのでしょうか」
寅子のその問いに穂高は「どうも直言くんの態度はスッキリしない」と答える。
だが、私がやりましたの一点張りなのも事実。
だが君たち家族となれば話は別。直言の口から、何があったか聞き出して欲しい。
直言から、何があったか聞き出す。←寅子に役目ができた!
直言の無実を信じる寅子は、調書を書き写し、仲間の力を借りてつぶさに事件を検証していきました。しかし「調書の中には自白を覆す糸口はありませんでした」←なかなか厄介な案件ですな(離婚裁判のやつ!)
そこで、調書の事実確認をすることに。
猪爪家では、はるが変わらず日記を記していた。
「10月26日 直言さん変わらず。私にできる事は何だろうか」
寅子ははるの日記に目を付ける。
はるの日記から糸口が見つかった
「単刀直入にお聞きします。お父さん、本当は無罪。何もやっていないんでしょう?」
俺がやったと言い張る直言に「じゃあそれを証明してください」と寅子。
「昭和9年5月4日。調書にはお父さんが、接待を受け株券の件を贈賄を承諾したとあるけど、お父さんはその日、家で夕食を食べ、味醂干しでご飯を三杯おかわりをしている」
それ以外にも、調書の証言とお母さんの手帳の記録との齟齬が合計14点も見られる。
「それは、母さんがきっと間違えただけで」←負け惜しみの反論をする直言に、ムッとするはるの顔がかわゆい!
私たちは、お母さんが結婚してから30年、毎日毎日綴ってきたこの記録を信じます!
やったというなら証拠を見せて。
「そんなのあるわけないだろ! 何にもやってないんだから」←やっとゲロったぜ!
直言は、上司から自白を頼まれたと語る。
「自白すれば皆が解放される」←いやだから自白ダメ絶対!
自白はすべて嘘。だが、直言は証言を変える気がないと言う。←なんでよ!!!
寅子はそれでもめげずに「公正な裁判を」と署名活動を続ける。
そして、変な男らに絡まられる。いや襲われる。
帝都新聞の記者・竹中らが助けに入ってくれたものの「ガキが足突っ込んでいい事件じゃない」とか言われちゃう。なんだよそれ!
竹中は言う「共和事件が起きたせいで、内閣が総辞職したと思ってんだろ。逆だ。内閣を総辞職したい奴らが共和事件を起こしたんだよ」←困難令和でもあるあるなんだろうと思うとエグい!
しかしそれ、直言、とばっちり過ぎるやん!!!!
そして第一回公判。裁判官はなんと桂場! その顔を見たときのあちゃ!顔のはるさんw
「思わぬ形で、桂場等一郎と再会を果たしました」
被告人の一人である直言は、氏名と生年月日を告げる。
しかし、取り調べをした日和田が扇子をバシバシと手に当てる音に震えてその場で崩れ落ちてしまう←明らかにPTSDだし、日和田はワザとだよね? もしくはクセからのワザとなの?
直言が倒れたとき、帝都新聞の記者・竹中が声を張る。
「あんたがそんなんじゃ、また襲われるぞ」
医務室に移った直言は穂高に詰め寄る。寅子が襲われたというのはどういうことかと。
穂高は「口止めされていた」と返す。
「そんな大事なことを親の私に隠すなんて」
「隠したくもなるだろうそりゃ! 怖かったと、泣きついたとできると思うかね」
何も言い返せない直言。そりゃそうだ。あなたのために尽力しているのだ寅子は!
「あとは弁護人としてどっちに転ぼうと任せて欲しい。できる限りの仕事をする」
「怖いんですよ。あいつら逆らうのが。またあそこに戻るのが…」
直言の頭には日和田から受けた暴言が蘇る「君の証言で全員を釈放できるんだ」
「情けなく思われるでしょうが、私は…」
「そんなことには絶対にさせない。絶対にだ!」
改めて証言台に立った直言は、贈賄の罪を認めるか確認され、寅子とはるを振り返る。
そして「私はすべて否認します」。自白は強要されたものだと告白する。
その後、被告人16人全員が容疑を否認し、審理は続いた。
しかし「検察は自白を強要したことを認めない」。しかも「検察の面目」もある。
穂高が「自白以外の証拠検証があまりにもお粗末じゃないかと言っているんだがね」と吠えるも、日和田は「お粗末も何も、証拠は証拠でしょう」と返す。
ああ言えばこう言うであーる。
しかし、穂高が人権蹂躙を持ち出すと「何をバカな」と一笑してボロが出た。
直言たちが川手錠をされて追い込まれていたと言うと、被告人がひどく暴れていたからだ返す。
それを鮮明に覚えていると言い「看守が、安全のため自らの判断でやったまでのこと」←出た! ミスを部下になすり付けるやーつ!
それを聞いた寅子は「はて?」からの「あ!」。
穂高が寅子に何事か尋ねると、寅子が答えたのは「監獄法施行規則 第四十九條」
看守は、刑務所長の命令がなければ戒具を使うことができない。
であれば、「看守は、暴れる被告人を置いて取調室を離れ、所長の許可を得て手錠を持ってきたのですか? いやそんなことは…。取調室にいるあなたの指示なくてそんなことができるはずがない!」
これがきっかけとなり世間の風向きは変わった。しかし検察は自白の事実でことを押し切ろうとした。もうね、自白ダメ絶対!!!(冤罪に限るよ!)
判決の日。1年半にも及ぶ、寅子たちの戦いが終わった
判決を言い渡す。
主文、被告人らはいずれも無罪。
やったーーーーー!!!! ここはもう、はると寅子の喜ぶ顔だけで泣けますね。
裁判所で待つ、よね、涼子様、梅子、サイちゃんたちも歓喜!
久保田&中山パイセンもいる!
理由。
警察側が提出する証拠は、自白を含め、どれも信憑性に乏しく、本件において検察側が主張するままに事件の背景を組み立てんとしたことは、あたかも、水中に月影を掬い上げようとするかの如し。
すなわち、検察側の主張は証拠不十分によるものではなく、犯罪の事実そのものが存在しないと認めることである。
その夜、直言は改めて家族に頭を下げる。そして寅子にはお礼。
「トラ、ありがとう。お前がいたから、こうしてみんなとまた、食事を心の底から楽しむことができる。父さんの言うことを、信じないでくれてありがとう」
はるには、映画のチケットを差し出し「約束、破ったままだったろう」と改めて謝罪する直言。
「今まで本当に悪かった。できればあの日からやり直したい。いや、やり直すだけじゃなく…」
そんなことを言う直言に、はるは声を上げて泣き出して直言にしがみつく。
「何にも言ってくれないんだもん!」あのはるが子どものように泣きじゃくる姿はたまりませんな。
「ごめん、ごめんな」
「私が小うるさいから何にも話してくれないのかなって」←うんまぁ、小うるさいかもw
女がいると疑って直言の異変に気づけなかった自分を、はるははるで、責めていたのかもしれないなぁ。夫婦ってそういうものですよね。
この瞬間、やっと猪爪家の共和事件が終わりを告げました。
そして後日。
竹本で桂場を待ち伏せする寅子。「どうしてもお礼を言いたくて」
桂馬は言う。「勘違いするな。誰のためでもない。私は法を司る裁判官として当然のことをした」
寅子は今まで法律は人を守る毛布や盾のようなものだと思っていた。「でも今回の件で、法律自体が守るものというか、キレイな水が湧き出ている場所というか」
私たちはキレイな水に変な色を混ぜられたり、汚されたりしないように、守っていかなきゃいけない。キレイな水を正しい場所に導かなきゃいけない。
それを聞いた桂場は「君は裁判官になりたいのか」と切り返した後、「あ、そうか。ご婦人は裁判官には、なれなかったね」って、絶対寅子を焚き付けてますやん。
はて?
言い終えるとさっさと竹本を出る桂場だったけど、ニヤリとしているーーーー!←やっぱり、寅子に発破をかけましたなーーー。ニヤリ。
しかし。桂場は寅子にとってどんな存在の人になっていくんだろう。
それを見るのもまた、また今後の楽しみでありますね!
・キャスト・
作…吉田恵里香
猪爪寅子…伊藤沙莉
猪爪はる…石田ゆり子
猪爪直言…岡部たかし
佐田優三…仲野太賀
米谷花江…森田望智
猪爪直道…上川周作
猪爪直明…永瀬矢紘
山田よね…土居志央梨
桜川涼子…桜井ユキ
大庭梅子…平岩 紙
崔 香淑…ハ・ヨンス
竹中次郎…高橋 努
日和田…服部圭亮
桂場等一郎…松山ケンイチ
穂高重親…小林 薫
他
語り…尾野真千子
主題歌…「さよーならまたいつか!」米津玄師
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