第14週「戦争とうた」65・66話
年明けのブギウギ65話は、上海の羽鳥んの状況からスタート!
「戦況が悪化する上海で、軍が全面支援する音楽会に向け着々と準備を進めて」いた羽鳥んは、黎が作った「夜来香」に対しニッコニコ。
「この伸びやかなメロディは本当にすばらしい。大好きな曲なんだ」
その曲をもとに、自分なりのシンフォニックジャズをやりたいと言う。
どんなアレンジを考えているのか聞かれると「ブギだよ!」
出ましたブギ!!!!
シンフォニックジャズにブギのリズムを取り入れる。
「ブギはアメリカのリズムさ。日本にいちゃ出来ないリズム」
聴くと胸のあたりが、なんかこうズキズキワクワクするだろう。
中国人である君が作った歌を、日本人の僕がアメリカのリズムにアレンジして、それを世界中の音楽家と演奏するんだよ。うふふふ。←イっちゃってる! いいねいいね!
「夜来香ラプソディ」タイトルまで閃いちゃった!
音楽が時世や場所に縛られるなんてバカげてる。音楽は自由だ。
誰にも奪えないってことを僕たちが証明して見せよう。
始めたらやめられないのが戦争。だから始めたらダメ絶対!
スズ子は富山県の高岡市に来ていた。富山県…。スズ子たちが泊まる旅館には、数日前に大空襲にあった富山市からの被災者を受け入れていた(いいドラマは現実とリンクすることがあると聞くけど、悲しいリンクしちゃったなぁ)
これまでも大きな工場には爆弾を落とされたことはあったが、「今回は、町の人も見境なしで。大勢死んだがですっちゃ」
「ワテの歌、聴いてもらえるやろか」さすがのスズ子も不安そう。
そこに旅館の従業員の子ども・幸が入ってくる。一井のラッパに興味津々の様子。そこに、母親の静枝が入ってきていたずらするなと叱りつける。しかし、スズ子たちが構わないと静枝をなだめ、彼女が働いている間、自分たちのそばで幸を遊ばせることに。
そしてそのころ、茨田りつ子は鹿児島の海軍基地にいた。
少佐はりつ子を見て「明日もその格好で歌うおつもりですか?」
「まさか、これは普段着です」って、りつ子ちゃう。あいつそう意味で聞いてねーぞーーw
「本番はもっと華やかにいきますよ」そう言うりつ子に「明日はあくまでも我々の士気を高めるための余興。浮ついた格好で歌われては士気は下がる」と。そう言うと思ったyo!
少佐は「海行かば」「同期の桜」は歌えるかと聞いてくる。りつ子は「軍歌は性に合いません。私でお役に立てないようなら帰ります」一礼して去ろうとするが、そこで少年兵の姿を目にしてしまう。←言うほど少年じゃないのがなんともマイナスポイント! 演者集められんかったんかい!
「なんです? あの子たちは」と尋ねると「特攻隊員です」とのこと。
「祖国のため、命令が出れば直ちに出撃しなければなりません。もしかしたら、歌の途中で中座しなければならないかもしれない。そしてそのときは、おそらく彼らは二度と戻ってくることはない」←どう考えてもアホな作戦をなぜ止められなかったか…。
「死に行く彼らには何も持たせてやれません。茨田さん、せめていい歌を聴かせてやってください」
しかし、りつ子は軍歌を歌わない。←流されないりつ子、カッケー!
「では、隊員たちが望ものでは…」「わかりました」
幸と一緒に食卓を囲んでいたスズ子たちは、静枝にこう言われてしまう。
「ぜいたくさせたらクセになりますから。ぜいたくは、敵です」
彼女の夫は南方で戦死していた。「勇敢に戦ったと聞いています」
ツラいことを聞いてしまったと思わず謝るスズ子。
だが、静枝は「どうして謝るがですか?」と問い返す。
夫は私の誇りながです。お国のためにその命を捧げました。つらくはないがです。悲しくもないわ。←マジか…。怖いな、こういう心理は後々いろいろと影響が出ちゃいそうで本当に怖いよ。
「日本は勝てるやろか」とつぶやくスズ子に「勝ちます。そうでなきゃ夫は犬死です」と言い残し静枝は帰っていく。
羽鳥んに任された音楽会は見事に成功。中でも、ブギのリズムを取り入れた「夜来香ラプソディ」は大好評だった。
「人も音楽もすべてが自由で一つだった」
すべてが自由で一つ、世界もそうであればいいのに。
スズ子の歌で泣けてよかった
戦死した夫を誇りだと言う幸の母・静枝を思って「歌わな。あの人にも歌を届けな…」
そう言うスズ子は歌の力を、音楽の力をいやというほど知っているんだな。
そして、広島に原子爆弾が落とされた。新聞でそれを知る愛助と坂口。
「たった一発で、何万にもやられたらしい」
「ほんま得体の知らんもんを次から次へと。もう日本中どこおっても危ないとこだらけや」
スズ子たちも同じ新聞を見ていた。
「たった一発で、広島一帯が壊滅。あたり一面焼け野原」
スズ子は出発前に静枝に声を掛ける。
「あの、ワテ今日歌うんで、見にきてください。あんさんに聴いて欲しいんです」
仕事があると言われるもスズ子はめげずに「きっと来てくださいね」と伝えた。
りつ子は、鹿児島海軍基地で慰問訪問の本番を迎えていた。特攻隊員たちの前に立ち「皆さんのお望みの歌を歌いたいと思っている」とリクエストを募る。
「別れのブルース」
「最後に聞きたいです」
「是非とも!」
「お願いします」
りつ子はリクエストに応え「別れのブルース」を熱唱。歌い終わると少年兵たちが次々に声を上げる。
「勇気づけられました」
「もう思い残すことはありません」
「元気でゆきます」
「迷いはありません」
「晴れ晴れとゆけます」
「感謝します」
「覚悟はできました!」
りつ子は思わず舞台からはけると、泣き崩れる。重いな、自分の歌が特攻隊員の励みになるなんて重過ぎる。そしてこれ、出撃命令は出るんやろうか。それこそ犬死やん…
そしてスズ子は「大空の弟」を歌う。
「南方で戦死した弟のことを想うて歌うた曲です。皆さんも大切な人のことを想て聴いてください」
アレンジがちょっと違って、そこまで重く聴こえない不思議。音楽ってすごいな。
そして「どこでどうしているのやら」の部分で大空を映す演出がよかった。六郎がちゃんとこの世界で生きているって伝わりました。
その夜、スズ子たち一行が夕食をとっていると幸がやってくる。
自然な演技!(いやきっと素www)
静枝もやってきて「今日の歌、すてきでした」とスズ子に礼を伝える。
スズ子の歌を聴いて、夫のことを久しぶりに思い出したと話す。
静枝の強ばった表情がほぐれてよかった。夫との楽しい思い出を思い出せてよかった。
スズ子の歌で泣けてよかった。
スズ子もその楽団たちもほっこり笑顔。これが音楽の力やね。
今週の週タイトルは「戦争とうた」
これは戦争と歌であり、戦争淘汰でもあるタイトルなんだろうな。
うまいな。人間は弱いから、悲しいかなこの世界から戦争がなくなることはないだろう。
だけど、淘汰されることを願い続け、祈り続け、声をあげ続けることはできる。
もう二度と、少年兵なんて存在させないために。
惨い死に方を一つでもなくすために。
・キャスト・
作…足立紳 櫻井剛
福来スズ子…趣里
村山愛助…水上恒司
一井…陰山 泰
坂口…黒田 有
李 香蘭…昆 夏美
二村…えなりかずき
黎 錦光…浩 歌
小林小夜…富田望生
三谷…国木田かっぱ
四条…伊藤えん魔
静枝…曽我廼家いろは
茨田りつ子…菊地凛子
山下達夫…近藤芳正
羽鳥善一…草彅 剛
他
語り…高瀬耕造アナウンサー
主題歌…「ハッピー☆ブギ」中納良恵 さかいゆう 趣里
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