第9回「女三人よればかしましい?」(第2週)
傍聴した裁判について納得ができない寅子は、原告が着物を取り返すことは、どうしてもできないのかと穂高に問う。
穂高は、法廷に正解というものはないと言う。
正解はない。
「そうだ、君たちならどう弁護するか、どんな判決が出ると思うか、考えてみるというのはどうだろう。どうだ、面白そうだろう」
男と女、令和の今は同じ土俵に立っているのか…
その宿題に反応したのは寅子とよねだけじゃなかった。
「ちょっとよろしいかしら」
涼子、梅子、香淑が、寅子たちと一緒に例の裁判について考えることになった。
場所を竹本に移すあたり、女子でええわぁ。よねは不満そうだけどwww
「着物は諦めて離婚を優先すべきじゃないかしらね」と梅子は言う。
着物なんて所詮モノよ。お子さんもいなかったんだし、ここからまた新たな人生をね…
「諦めたらそこで終わりじゃないですか」
「そもそも男と女、同じ土俵に立ててさえいないんだ」
「ありえない」
「参政権もない、家督も基本的には継げない。遺産も相続できない」
「姦通罪も女だけ。夫は家の外で何人女を囲おうがお咎めなし」
またまた醸し出される諦め「スン」モード。
寅子たちの時代の民法では、家単位の戸籍という制度の元、女性は戸主という名の父親や夫の庇護下に置かれ、社会的に不平等な立場だったのです。
「穂高先生も著書でおっしゃっています。妻の無能力、これは妻にとって必ずしも不利益な制度ではない。独断でやった行為がおもしろくない場合には」
「夫に相談しなかったという理由で取り消しうるからである」
でも、先生はこうも言っています。
しかしこれは妻を一個の人格者として考えるならば恥ずかしい保護と言わねばならず
「ですけど、夫による恥ずかしい保護を受けなければ、女にとっての茨の道が待っている」
「もう本当にはて? としか言いようがない…」
「でもこれが現実だ」
その後も、寅子たちは自分たちの答えを探す。
「暴力を夫に振るわれた件で夫を訴えてその賠償金として着物を返してもらうのはどう?」
「だから証拠がない。離婚裁判で賠償金が払われた判例は今までないはずだ」
そんな寅子たちを見守る穂高「いい。実にいい」←穂高なぁ。なんかグッとこないのよね(苦笑)
家に帰ってもこの宿題に取り組む寅子ですが、「法律って、その自分なりの解釈を得ていくものといいますか」。優三の声が蘇る。頭が沸いた寅子はバタバタバタバタ
全力でこの裁判に向き合う寅子ですが、いざどう弁護するかと尋ねられるとなかなか難しく。瞬く間に一週間の時が流れました。
裁判所で答え合わせだ!
よね、涼子さん、梅子、香淑たちは「原告敗訴。着物は取り戻せない結論」を出した。
他に意見はあるかね?
ありません。
猪爪くんは?
「皆と同じです。ほぼですが」←ほぼ。
法律においてはやはり結局、敗訴という結論しかでず。でも、諦めたくなく。
「言い訳はいい。結論だけを伝えろ」
寅子は民事訴訟法第百八十五條を持ち出して言う。
「自由ナル心証ニ依リ」事実上の主張を事実と認めるか否かを判断すると。
法律や証拠だけでなく、社会、時代、人間を理解して、自由なる心証の元に判決を下さなければならない、そういうことですよね?
「だからって、法そのものを覆すわけにはいかない」
それはわかってる。
見に行きませんか? 判決を。
裁判官が目の前の事実から何を感じ、どう判断をくだすのか。
裁判官の自由なる心証に希望を託すしか、ないのではないでしょうか。
課外授業か、面白いじゃないか。ということで、皆で裁判所へGO!
最終弁論によると、DV夫は半年も前から別の女の元に転がり込んで生活費も渡していない状況とか。←いやもう、離婚しろやアホか!
「原告は嫁入り道具の鏡台や茶箪笥、形見である着物の返還、ただそれだけを求めているのでございます」
「離婚が成立していなうちは、財産は夫が管理するものであって、妻に返還する筋合いはありません。夫婦間で財産返還を主張すること自体が、論理的矛盾であります。裁判長の懸命なるご判断を仰ぎます」
休憩後、判決に移ります。そして休憩後、判決が出るわけですが…
つづく!←だよね!!!
・キャスト・
作…吉田恵里香
猪爪寅子…伊藤沙莉
猪爪はる…石田ゆり子
猪爪直言…岡部たかし
佐田優三…仲野太賀
米谷花江…森田望智
猪爪直道…上川周作
猪爪直明…永瀬矢紘
山田よね…土居志央梨
桜川涼子…桜井ユキ
大庭梅子…平岩 紙
崔 香淑…ハ・ヨンス
久保田聡子…小林涼子
中山千春…安藤輪子
桂場等一郎…松山ケンイチ
穂高重親…小林 薫
他
語り…尾野真千子
主題歌…「さよーならまたいつか!」米津玄師
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