第4週「ササユリ」17話
竹雄はタキに「東京で若と喧嘩しました」と報告。
卑怯な真似をした。植物の道と、峰屋に使えるものを天秤に掛けて「若はワシらを捨てるのか」と迫った。だから若は、思い切ろうとしている。若は草花を嫌いになったわけじゃありません。先生にも見込まれていた。けどワシのせいで、ワシのために、ワシらのために。
「竹雄、卑怯とは思わん。いつか、誰かが言わなきゃいけなかった」
けど、佐川に戻ってから若は眠れていない。あれほど毎日、朝が来るのがうれしい、草花が朝日を喜んでいるのがうれしいと言っていた人が。ワシはいく日も若が笑っている顔を見ていない。
大奥様、ワシはどうしたらいいでしょうか。
タキは万太郎に分家周りの仕事を命じ、その間に万太郎の部屋を改める。草花の本たちに風呂敷を被せて隠し、押し入れには顕微鏡。そして「東京大学」とメモされたノート。それを見て、何を思うかタキさんよ。
仏壇に向かって「ヒサ、ワシに任せてくれるかえ?」と何かを決意したタキは、万太郎と綾を呼びだし、ある話をする。廊下には竹雄。
子どものころはあんなに弱かった万太郎が無事生きながらえた。綾も家業に熱心で気丈もんに育った。この先はワシに変わって、お前たち2人が峰屋を支えてほしい。
「おまんら、夫婦になれ」って、えーーーーーーーーーーーー!
万太郎思わず「は?」。うん、そうなるわいwww!
「おまんらはきょうだいじゃない、本当はいとこ同士じゃ」
いやいやいやいや、今言うーーーーーー!?
しかし、綾は本当の父母がいることを覚えていなかったんだなー。いや、うっすらと記憶にはあるのだろう。ヒサの容態が悪化し、万太郎に母はどうなるか聞かれて「目を開けてくれんようになる」と言っていたよね。でもそれが父母に結びつかなかっただけだろう。綾は小さいころからできた子だったけど、彼女もまだほんの子どもだったんだよね(泣)
本家に子が絶えたら、峰屋本家が途絶える。
万太郎に何かあっても、お前が婿をとったらなんとかなる。
「そのために?」そのあとに続く言葉を思うとまたツラいな。そのために引き取ったの? そのためにヒサは私のお母ちゃんになってくれたの? そのために大事に育ててくれたの? そのために私は生きてるの? そのため「だけ」に私はあるの?
「そのためにワシも嫁に来て、勤めを全うしてきた」タキだけじゃない、そうして生きてきたおなごはごまんといるのでしょう。タキが悪いわけじゃない。だけど、そりゃねーよ婆ちゃん!!!! かわいさを隠しきれない松坂婆ちゃんだから、そこまでエグくないのが救いか?
「本家を絶やさず峰屋を盛り立てる。それが、ワシらの役目じゃ」ぐ、ぐぬぬ、まだ言うか…!
「無理じゃ。姉ちゃんは姉ちゃんじゃ」
「いとこ同士で夫婦になるのはようあることじゃ」
「私らにも心がありますき」
おまんらはいびつ。当主の万太郎はいつまでも家業に身が入らず、頭の中は草花のことばかり。代わりにおなごの綾は、蔵に一歩も入れない身で家業に強情を張る。おまんらはいびつなのだ。
綾だったら万太郎のことをわかって峰屋を盛り立てられる。峰屋とってこれ以上ないおなご。万太郎に添い遂げるなら峰屋にずっとおっていい。峰屋に育ててもらった恩を忘れるな。
「そんな言い方ずるい」それな!!!! 「私にも好きな相手くらいおった」言い捨てて出ていく綾。
「ばあちゃん、あんまりじゃ」と万太郎。
お前にはわからん。家の中で立場のない女がどれだけ惨めな思いをするか。あぁ、これがタキなりの子どもらの守り方なんだよなぁ。家父長制度、クソ喰らえ!ってことでおけ?
植物学だったらもうすっぱりやめる。どうせワシは。
どうせ?
どうせワシはこの家に男に生まれ、この年まで生き長らえてしまった。
「万太郎、なんということを!」ほんまやで! もうーーー、そっちもこっちも!!!
どんだけ植物学をやりたくても諦めろ諦めろと言い聞かせている。どうせワシは当主。諦めるしかない。せめて姉ちゃんだけは。犠牲になるのはワシ一人でたくさんじゃ。
蔵の前で佇む万太郎「こんな蔵を守るために…」(でもな、伝統を守り抜くこともまた大変な道であり、すばらしい生き方なんだと思うぞ)
「竹雄、姉ちゃんに好きって言ってこい」
「滅相もない」
「今、言わんと。姉ちゃんがどうなるかわからん」
「お前がただの奉公人だったらこんなこと言わん。おまんじゃき。東京で言われたことそっくり返す。お前なら姉ちゃんを幸せにでき」ばばーーーんとな! 最後まで言わせず万太郎を突き飛ばす竹雄。そこへ「綾を見かけなかったか」と尋ねる女中。
当てもなく外に出た綾は、何かを思いついて走り出す! 幸吉か、幸吉のもとかーーー!?
綾を探しに、万太郎と竹雄も走り出す!
ずっと一緒に育ってきた万太郎、綾、竹雄の明日はどうなる!!!
・キャスト・
作…長田育恵
槙野万太郎…神木隆之介(通称神木きゅん)
竹雄…志尊 淳
槙野 綾…佐久間由衣
市蔵…小松利昌
ふじ…石村みか
牧野タキ…松坂慶子
語り…宮崎あおい
主題歌…「愛の花」あいみょん
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