第10週「大空の弟」48話
一井から六郎のことを聞いた羽鳥が、スズ子に会いに来た。
「わざわざ会いに来てもろて、なんやすんまへん」
参ってはいないかい?
葬式とお祭りがいっぺんに来た気分だとスズ子。
「六郎は死んでんのに、世の中はバンザ〜イバンザ〜イって」
あの子、いっつも姉やん姉やん言うて後を付いてきて。
いつまでも子どもみたいで。そこがまた可愛いて。
カメのことばっかり気にしてるアホな手紙よこして。
呑気にしてる思ってたのに。
おもしろい子だね。←せやねん、おもろくてかわいい子やねん六郎は!
羽鳥んは、スズ子を食事に招く。
「楽しみやわ」涙を溜めてそう返事をするスズ子の胸中を思うと悲しい。
歌う場所がないなら作ればいい
梅吉は「香川帰ろう思てんねん」と言い出す。
幼なじみの繊維工場のボンボンから手伝うてくれと言われたらしい。
「それ、父ちゃんやないとあかんの?」
「ワシが行きたいねん」そりゃそうや。やることがな〜んもないというのはただでさえ気が滅入るのに、六郎が死んだ今、気がおかしくなること山の如しやで。
「六郎が死んで、もう家族はワテとお父ちゃんしか残ってへんのやで」とスズ子は言うが、梅吉にも梅吉の生き方があるんやで、スズ子。
梅吉は「お前はええがな」と。
東京住んで長いし、歌もある。せやけどワシからしたら、東京にはな〜んもない。もう大阪の家もない、生まれ故郷しか残ってないねん。一からやり直したい。
一から? 何で一からなんて言うねん。ワテがおるやろ。ワテは数に入らへんの?
そんな投げかけにも梅吉は答えず、部屋を出て行こうとする。スズ子は思わず「ほんまの娘やないからか?」と言ってしまう。
なんて?
何もないわ。
羽鳥家での食事会。
いろいろと胸がいっぱいで食事が喉を通らないスズ子だが、それに加えて、スズ子の目の前にりつ子が座ってるーーーwww
「私が目の前にいると息が詰まって、ごはんも喉を通らないってそういうわけ?」←だいたい合っているかとw
「食事は大勢で食べたほうがおいしいと思って」って羽鳥んも羽鳥んやw
食事が終わると、羽鳥の仕事部屋へ。
楽団はなかなかうまくいかないとスズ子。
「楽団を持つって大変や」
「こっちだって大して変わんないわよ。歌いにくいったらありゃしない」
クソくらえだ。そうだろう? 誰も君たちから歌を取り上げるなんてできない。そんなこと許してたまるか。
歌う場所がないなら、自分たちで作ればいい。音楽会を開こう。
二人の合同コンサートだ。
合同? この子と?
どうだい? 面白くなりそうだろう?
二代歌手による銃後を鼓舞する大音楽会
楽団&五木ひろきたちは大喜びなんだけど、スズ子はなんしか上の空。
「大丈夫かな?」
「あの様子じゃまだ弟さんのこと…」
歌えなくなったスズ子に羽鳥が手渡したもの
そん中、家に帰り粛々と荷物の整理をしている梅吉を見て、感情をぶつけるスズ子。
どうせもう何もないねん。
お母ちゃんも六郎もおらん。
お父ちゃんには逃げる田舎があるか知らんけど、ワテにはいない。
ここで楽団食わさないあかん。
けどな、ワテ今、歌がまともに歌われへんねん。
歌おう思うたら六郎の顔が浮かんで、歌に気持ちが入らへんねん。
あの子が死んでまともやないのはお父ちゃんだけやない。
ワテも同じや。
スズ子は部屋を出て行き、小夜は梅吉に願い出る「スズ子のそばにいでやってくんちぇ」
小夜がいると返す梅吉に「梅吉さんでねえと、父ちゃんでねえどダメなんだ」と。
スズ子は羽鳥んの元を尋ねた。
「ワテ、もうあきまへん」
歌おうとすると六郎のことやらいろいろ浮かんで、喉が詰まるんです。
ワテにはもう歌もない。
「ちょうどよかった。入って」そうスズ子を招き入れると楽譜を渡す羽鳥。
題名は「大空の弟」。
君が話してくれた六郎くんへの想いを歌にしたんだ。
六郎くんの歌だ。これなら歌えるんじゃないか。←羽鳥んーーーー!
「ええ歌ですね。ええ歌や」
本当にね、本当にええメロディーでさ。
歌詞がなくてもめちゃくちゃ泣けましたよ。羽鳥善一、天才!!!
六郎が生きた証、六郎が戦った証。六郎もきっと、あの笑顔で聴いているはずさ(号泣)
・キャスト・
作…足立紳 櫻井剛
福来スズ子…趣里
伝蔵…坂井 聡
一井…陰山 泰
五木ひろき…村上新悟
二村…えなりかずき
小林小夜…富田望生
三谷…国木田かっぱ
四条…伊藤えん魔
羽鳥善一…草彅 剛
茨田りつ子…菊地凛子
羽鳥麻里…市川実和子
花田梅吉…柳葉敏郎
他
語り…高瀬耕造アナウンサー
主題歌…「ハッピー☆ブギ」中納良恵 さかいゆう 趣里
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