第3週「ジョウロウホトトギス」14話
東京旅行の最大の目的地・博物館にやってきた万太郎、とお付きの竹雄。
中に通された万太郎の目に飛び込んできたものは、黙々と作業をする生徒?の皆さんと、数々の標本たち! そしてガタガタガターンと倒れて「眠い!」と現る野田先生。ベタ! めちゃくちゃベタ展開なのに心地いいという、摩訶不思議らんまん現象!(万太郎はこのときまだ、田辺誠一が心の友とは気づいてないが)
「だれかおもしろい話をしてくれ。ときめきでもいい」と田辺誠一。
生徒の皆さんはガン無視なので(笑)、万太郎が一つの標本を手に田辺誠一の元へ。
標本の植物名の話から、植物の名前を限定するには、いくつもの場所のいくつもの標本を参照しなければならないこと、それはとても気の遠くなるようなことであること、しかし、標本があればいつでも取り出せて重ねて置けるから大量に保存できることを野田先生力説。
そして、紫陽花に似た花をめぐり、出ました顕微鏡!!
万太郎が紫陽花に似ていると口にし、肉眼ではわからなかった花の違いが、顕微鏡で見るとハッキリと確認できる。草花をよーく見るという行為は、万太郎がずっと続けてきたことだけど、一人の力だけでは見えないものが、東京では見られる、ということでもあるなのかな?
草花の種類がわかったら名札をつける。和名もあるが、それは日本国内でしか通用しない名前。
植物の名前は万国共通のものにしなければならない。そして、植物名には名付け親の名前も入る。そしてそして、名付け親の名は永久に残される!!!
鎖国で閉ざされていた日本の、植物分類学は今始まったばかり。日本は島国で自然が豊か。
日本の草花は、まだ学名が付けられていないもの、発見されていないものがたくさんある! 万太郎が崖で見つけたあの黄色い花も、野田先生は見たことがないという。
これは、新種かも!? 万太郎、名付け親になれるかも!?
いやいや、そんなに簡単なわけなかった…。
日本で植物の名付け親になった人間は、まだ一人もいない。そのもっとも大きな原因は、比較する標本が圧倒的に足りないから、らしい。東京大学には3000種類くらいあるが、それでもまだまだ足りない。だからこそ、植物分類学を打ち立てるべく標本を集めている!
植物分類学とは植物を見つける、識別する、分類する。新種なら、それに名前をつける。
自分がやってきたこと、やりたかったことは植物分類学だったと気が付く万太郎。
と、ここまでめちゃくちゃガッツリ喋ったあとに、「なんの用で来たんだっけ?」と野田先生。
オイオイオイ! ベタベタベタ! でも楽しい!
ようやく田辺誠一が野田先生だとわかり、ずっと先生に会いたかったと伝える万太郎。
万太郎が書き写した植物図は、野田先生が初めて手がけた仕事だったと。それを小学生のときに手にして感動し書き写し、大人になって自分に会いに来てくれたヤツが目の前に! こんなにうれしいことはないと目を潤ませる野田先生。
「友よ!」と抱き合う万太郎と野田先生。と、2人を外からじっと見つめる竹雄。うぅ、複雑!
竹雄は生徒の一人にどこから来たのか尋ねられ答えるも、存じ上げないと言われてしまっていた。「東京からは遠い。小さい村ですき」。竹雄も、東京へ来て思うところがあるのだろう。
あ、終盤、ニョロサボテン否ヒモサボテンを持って里中先生も現れたよ。
「我々はやっとハイハイを始めた赤子だが、成長を続けることが肝心。真似事でもまずはやることだ」by里中先生。まずはやること。個人的にグサッとくるわ〜〜!
博物館からの帰りしな、「東京にはあんな大人らがおるがじゃの。今、初めて生まれたような気分じゃ」と万太郎。そんな万太郎を見て、「こんなのは遊びですき。草のことは遊びです」と釘を刺す竹雄。
「万太郎をお願いね」と綾から託されている回想シーンが、竹雄の複雑な思いを際立たせてくれて、とてもうまい演出だと思う。竹雄の本心は、万太郎に植物分類学の道に進ませたいのかもしれない。ずっと側で万太郎を見てきた竹雄だもん、万太郎が何をしたいか、何をすべきかわかっている。でも、彼は峰屋の当主…。
「草のことは遊び」。あれは、竹雄の迷いを振り切るための言葉だったかもしれない。
キャスト
作…長田育恵
槙野万太郎…神木隆之介(通称神木きゅん)
竹雄…志尊 淳
槙野 綾(回想)…佐久間由衣
野田基善…田辺誠一
里中芳生…いとうせいこう
語り…宮崎あおい
主題歌…「愛の花」あいみょん
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