2023年4月3日から、新しい朝ドラ「らんまん」がスタートしましたね。NHK連続テレビ小説(通称朝ドラ)ではお久しぶりの男性主人公の物語です。演じるのは、神木隆之介(通称神木きゅん)。改めてググったら、2歳でデビュー!?しているという大ベテラン俳優でござい! オリジナルストーリーといえど、植物学者・牧野富太郎というモデルがいるというのも、安心して見られる朝ドラになりそうだな!
第1週「バイカオウレン」
第2週「キンセイラン」
第3週「ジョウロウホトトギス」
という予感どおりに、毎朝、安心して朝ドラを見ております。スタート直後でも、乗れない波、振り落とされそうな波、乗る気を無くす波…という朝ドラもあったなか、この安心感はとても貴重。3週目にして安定感抜群で、不安要素なんて見当たらねぇでガス←あまちゃんの影響ですw
第1週は5歳の万太郎(森優理斗)の物語。植物への興味や、病床の母・ヒサ(広末涼子)への愛と別れ、天狗おディーン様こと坂本龍馬との出会いと道標的なお言葉などが盛り込まれ、ラストは「ワシはこの花の名前が知りたーい」で締めくくり。
第2週は、9歳になった万太郎(小林優仁)の物語。道々に生きる草花と会話する姿は、そりゃそう成長するでしょうね!の姿そのもので、第2週も安心安定のスタートを切りました。
祖母・タキ(松坂慶子)に手を引かれて、学問所「名教館」に通い始めた万太郎は、あまり気乗りしない様子。でも、学頭・池田蘭光(寺脇康文)と出会い、大好きな草花たちにも名前があると教えてもらってからは、猪突猛進の勢いで学問にのめり込みます。さすが朝ドラ主人公也。蘭光先生といえば、登校する万太郎に水をかけてしまって「何この人!?」な登場をしておいて、実は学頭という偉い人でしたん♪ という流れもザッツ・王道。
とはいえ、先が読めちゃう王道というより、心地よい王道とう印象で、とにかくスッと物語が入ってくるのが朝からとても気持ちがいい。
それから、万太郎の姉・綾(佐久間由衣)と、峰屋の奉公人・竹雄(志尊淳)の生き方も、万太郎への慈しみ方と同じように描いてくれているのが、これまたとても気持ちがいい。綾の子役時代(第1週)を演じた太田結乃さんには魅了されてしまったな。おなごである綾は、酒蔵に入ることを禁じられている。けれど、万太郎が植物に惹かれるように、綾は酒造りに惹かれている。その綾が、万太郎を追いかけるという理由を盾に、酒蔵に一歩足を踏み入れるシーンは、らんまんの中でも心に残る名場面になるのでは? 作り手が、これからの彼女の人生も大切に描いてくれることが伝わる撮り方だったように思います。そしてそんな綾に惹かれている竹雄の描き方も配分もお見事なのですよ。うまく言えないのだけど、描いているものが「身分違いの恋に苦しむ竹雄の図ぅ」だけではないというところがお気に入りです。
さて第3週12回の本日は、万太郎と竹雄が東京に旅立ってエンド。東京行きは、峰屋の酒を博覧会に出品するのが表向きの目的ですが、当主・万太郎の真の目的は、小学校時代(一瞬で中退したけど!)に書き写した植物図に署名されていた、文部省の里中先生と野田先生にお会いすること。お二人は万太郎にとっての「心の友」とのことなので、万太郎はルンルンですyo! 明日は万太郎&竹雄の珍道中が見られるのかと思うと、ニヤニヤしますな。
ところで本日も綾のターンがよかったわ〜。
綾が蔵人の幸吉(笠松将)に頼んで作らせた辛口の酒。峰乃月の味を試飲する場で、綾は新たな酒の試飲も願いしたいと申し出ますが、タキは綾のその行動に激怒。万太郎が助け舟を出そうとするも、「そんなさもしい酒、下げなさい!」と一喝されて終わってしまうのですよ。ここのね、酒のことは全部親方任せの万太郎が、綾に手を差し伸べる姉弟の関係。これをサラッと描かれたところがいいし、だけどそれで試飲を許すほどタキが甘くないのもいい。新しい酒を作り出したい綾も、峰屋の伝統を守り抜こうとするタキも、どちらも間違っていないし、どちらだけが正解というわけでもない。それを声高に伝えてくるわけでもないのが、らんまんの良さなのではないかな?と今のところ思っています。
きっと綾は新たな酒を作り出すのでしょう。けれど、そこには乗り越える壁がいくつもあって、その障壁をガシガシかき分けて進むドラマもあれば、急に壁を飛び越えて視聴者を置いてけぼりにするドラマもある中、らんまんはドラマチックな展開ではなく、好きなことに向かって生きることそのものがドラマであると伝えているような気がするのは私だけ?
万太郎は万太郎のペースで、綾は綾のペースで、竹雄は竹雄のペースで生きていて、それがまた心地いいのよねん。
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