第26週「スエコザサ」126話
最終週月曜は、昭和33年からスタート!?!?!?
大幅に時間経過するだろうとは思っていたけど、まさかここまで時間を飛ばすとは!(呆気にとられましたが、こういう予想もできない裏切りは好きですw)
脚本を担当した長田さんのインタビューを読んでいたので、最終週には何か「仕掛け」があるだろうことはわかっていたのだけど、そうきましたかという感じ。語り担当の宮崎あおいさんは何かしらの役で出演されるかなとはチラッと思っていましたが、タキが千鶴に転生するとはね! 想像の上の展開で、ちょっとテンションが上がりましたよねw
「昭和33年の夏、私は初めてそのお屋敷を訪ねました」。
らんまん界は、主人公の人生を後世のどなたか(藤平さん)が語って見せる方式を採っていたんですね。朝ドラ「おひさま」では最初からそれを見せていたけれど、らんまんは最終週で種明かしをする寸法。なるほどね。
で、槙野邸を訪れた藤平さんを迎えたのは、槙野(慶子)千鶴。
いやはや。私はずっと、みえ叔母さんから渋谷に店を持つよう提案されてから、なぜ寿恵子が妊娠したのかずっと納得できずにいました。「旦那の夢、あんたが叶えてやるんでしょう? だったら、あんたも一緒に駆け上がってみなさいよ」と展開しておいて、翌週に妊婦寿恵子を見せられて「???」でした。ドラマの勢いにブレーキを掛けてまで、ドラマ上に千鶴を誕生させる意味とは!? と、ずーーーーっとモヤモヤしていました。最終週に入り、ようやく! ようやく謎が解けました!
しかし、この仕掛けを考えていたんだったら、もっと千鶴に焦点を当てておいてもよかったじゃん。千鶴が万太郎の標本の整理をしているようだけど、なぜ千鶴? そういえばチビ千鶴は草花に興味がありそうな描写はありましたね。でもそれだけだと足りないかな。千鶴が万太郎に何度も、植物や標本の話をせがんでいるシーンくらい撮っておいてくれよ(苦笑)。
アルバイトにしては荷が重過ぎる!
さて、藤平さんは万太郎の標本整理のアルバイトにやってきたようなんだけど…。
・標本は「40万点はある」
・それを「植物の学名ごとに収蔵していく」
・日付と採集地を標本1片1片にはさむ。
・全国から送られてきた標本は「受け取った父が、ただメモを残しただけのものも本当に多くて。槙野の標本か、そうでないものか。それも区別しておかなきゃならない」
それどうやって区別するんだろうと思っていたら「でも、無理じゃないですか」って藤平さんがツッコんでくれたわーーー!
「そうなのよぉ」って笑顔で返す千鶴…。槙野家って本当、なんか距離を取って付き合いたい人ばっかりだな!(ドラマのキャラとしては面白い人ばっかりなのに、みんないい人でまとめられちゃったの本当に残念)
その手掛かりになりそうなものが万太郎の日記なんだとか。万太郎、日記なんて書いてたんだ…。ま、ネタバレになるから今まで一度も映さなかった、と思って流すこともできるけど、日記をうまく生かせたのは? とも思える。たとえば後半戦。植物採集の映像が撮れないんだったら、日記で植物採集の様子を伝えてもよかった。どこへ出掛けてどんな植物に出会ったとかさ、到着した夜に寿恵子に手紙を書いたとかさ。そういう描写の積み重ねでしか、2人の大冒険は伝わらないのにね。
「え…」と絶句する藤平さんwww
遺品整理の手伝いと聞いて内容を聞いてみたら、量はハンパないし、責任も重大。「私が判別するんですか」って、そこハッキリさせておきたいですよね、わかります。
千鶴も「私もやるわよ」って言っていたけど、リアル案件だと期待できない「私もやる」宣言!(しかも、松坂さんのふんわりテイストも加わってますます期待できないw)
藤平さん逃げてーーーー、って思ったら逃げた(苦笑)
「博士はどうしてこう、ちゃんとメモしてくださらなかったんですか?」←至極真っ当なツッコミ、ありがとう!
「余裕がなかったのかしらねぇ」。←いや、本人にやる気がなかっただけかと(苦笑)。いかんせん、万太郎はやりたいことしかしないから!
もう本当に、亡くなってからもお騒がせよねぇ!←それな!
どうしてきっかけとなる画を撮らないの?
「ただ片付けのアルバイト」だと思っていたのに「こんな重大なお仕事は、とても」とお断りする藤平さん。めちゃ正しいかと!(爆)
けれど、一度振り返ってスエコザサが映し出されると、なぜか千鶴の元に戻って「今、気づいたことが」と話し出す。「この標本、守ってきたってことですよね」と。
藤平さんは、関東大震災を思い出し、万太郎の家族がこれだけの量を守り抜いてきたと気付いたとおっしゃっていたたけど、なんで関東大震災を思い出したのかさっぱりわからない。
それを考えたら私、帰れません。次の方に渡すお手伝い、私もしなくちゃ。
いいこと言っている風だけど、これでは結論ありきではないか…。震災を思い出したのはなぜ? 私も戦争を生き抜きましたって何を見てそう考えたの?
数分前に辞退したことを覆すんだから、そのきっかけになる画はマストだと思います。スエコザサが映ったことで「寿恵子が呼び止めた」と解釈できるほど、私はできた視聴者ではないので悪しからず。
らんまん。ものすごく丁寧なドラマだとは思うけど、実は肝心なところを描いていないと思う。とくに万太郎が田邊をどう思っていたのか、田邊の仕打ちに対する本音、佑一郎に「おまんは変わるな」と言われたときの心境、植物学が次のフェーズに入って焦りはあったのかなかったのか…。
万太郎の人生において分岐点になるような場面で、万太郎が何を考えていたのかきちんと言葉にしてこなかった。言葉にせずニュアンスで伝える美しさももちろんあるけれど、やはり、それをやっていいのはせいぜい1〜2回では?
もちろん、前述したシーンで万太郎は何も感じないならそれでもいい。草花が友だちだから、人間関係のアレコレはスルーできるんであればそう描いてくれたらよかった。
結局、万太郎ってどういう人?と聞かれても、答えられないんだよね。らんまんって槙野夫妻の大冒険だったねと言われても、2人の大冒険の映像が思い浮かばないんだよね。それってつまりは、描写不足なんだと思うんだ!(ユイちゃんの怒りのように読んでケロ)
・キャスト・
作…長田育恵
槙野万太郎…神木隆之介(通称神木きゅん)
槙野寿恵子…浜辺美波
波多野泰久…前原 滉(写真)
藤丸次郎…前原瑞樹(写真)
山元虎鉄…濱田龍臣(写真)
徳永政市…田中哲司(写真)
大畑イチ…鶴田真由(写真)
大畑義平…奥田瑛二(写真)
槙野千鶴…松坂慶子
語り・藤平紀子…宮崎あおい
主題歌…「愛の花」あいみょん
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