第22週「オーギョーチ」109・110話
109話。
台湾の基隆(キールン)に到着した万太郎。案内人に、現地の言葉で「私は槙野万太郎です」と伝える。すかさず台湾監督府の役人から「日本語をお使いください」と嗜められる。
挨拶くらいいいだろうと言う万太郎に、「いえ、私たちは台湾の近代化のため共通語として日本語を推進しています」って大きなお世話w
台湾の案内人は陳 志明さん。役人が立ち去ると万太郎はまた、現地の発音で彼の名を教えてもらう。ダァン・ジーミンさん。台湾語で「よろしくお願いします」と伝える万太郎。台湾縦断の調査が始まったニコニコの万太郎と、その後を追う意味深な顔のジーミンさん。なんだなんだ?で締めた108話だったけど、109話はまさかの十徳長屋から始まったよ! なんだよ!!
しかも、台湾調査が始まって2週間経過していた!
そこに、なんと虎鉄くんがやってきた。おいおーーい、だいぶ成長してるやないかーーーい!って思ったら、虎鉄くんと初めて出会ってから10年が経っていたようです。畳み掛ける時間経過! 朝ドラの終盤みがありますな(苦笑)
虎鉄くんは、万太郎の助手になるために上京してきたらしい。寿恵子がキラキラしているから、むしろ虎鉄のほうが年上に見えるままであるぞwww(割と老けメイク希望マンなんだけど、寿恵子はいつまでもキラキラしていて欲しい華やかさがありますね)
虎鉄の妹が結婚して遍路宿を継いでくれたからようやく状況できたらしいが、うん、寄せてるな!
万太郎が虎鉄の名前をヤッコソウの名前につけてくれた。「この名前は永遠に刻まれるゆうて」。虎鉄は万太郎との出会いとその恩に報いるため、東京にやってきた。「いつかきっと、お役に立てるようになろう思うて、決めちょりました」
寿恵子、店を持つの巻
寿恵子は、みえと大輔から店を持ってはどうかと打診される。「すんごい田舎の渋谷」に、陸軍の練兵場が出来るらしい。弥之助の知り合いがその近くに空き家を持っているから、そこを買えと。今なら120円らしい。
「あんた、商売やんなさいよ」「俺は待合茶屋がいいと思うね。これから人が集まる。その人たちを繫ぐ場所が必要になる」
戸惑う寿恵子に「旦那の夢、あんたが叶えてやるんでしょう? だったら、あんたも一緒に駆け上がってみなさいよ」とみえ叔母さまがアシスト。←ま、万さん月給15円だし、いつクビになるかわからないしね。稼ぎ手は必要だw
109話。
108話の中で、万太郎が台湾で体調を崩している場面と、日本に帰国した万太郎がオーギョーチを家族と虎鉄に披露する場面がありました。「ワシは、台湾の人らとこの植物に命を救ってもらったがじゃ」。そんな前振りで109話に繋げたわけだから、1話丸っと台湾エピになるかと思っていたんですが、違いましたね(汗)
台湾の森の中で熱を出して倒れた万太郎。そのときに助けてもらったのは、日本人が泊まったのは初だと言う台湾奥地のとある村。ゼリー状のオーギョーチは、体調不良のときに食べやすいのはわかるけど、それがどう解熱に作用したのかなどはスルー! うそん!!!
「ありがとうございます」台湾語でお礼を伝える万太郎に警戒心がなくなったのか、村人は万太郎の図譜をニコニコと眺めている。言葉とともに、それを超えたコミュニケーションがそこにある。植物たちが万太郎と台湾の人たちを繋げてくれた。わかるよ、わかるけども!! ピストルよりも万太郎を守ってくれるものとして図譜をだした割には、だいぶショボい落ち(言っちゃった!)
いや、落としどころは悪くないけど、そのオチにするには台湾の植物採集シーンが無さすぎる…。せめて、オーギョーチは発見しておこうぜ。
負の感情をわかりやすく見たいだけ…
そのころ帝国大学では、イチョウの生殖の研究を続けている波多野&野宮コンビ。
「波多野さん、これ。寄生虫かな…。いや、違います。これは…!」
「間違いない、イチョウの精虫(精子)です!」
動いてますね。動いてる。←こういうやりとり地味に好き。
波多野は野宮さんに論文を書けという。「あなたが見つけたんです。そしたら僕がすべて翻訳します」自分は画工だからと言う野宮に「いいえ、今は植物学者です」←相棒の波多野にしか言えないしことだな。
あの日の約束が、現実のものとなった。おめでとう!波多野宮!! そして、その瞬間に出くわす万ちゃんw
「野宮さんが見つけたんだ!」「波多野くんがいたからね。一緒に見つけたんだ!」←お互いを称え合う2人。大好物、ありがとうございます!!
研究の成果に喜び合う3人の光景は胸熱だとは思うんだ。万太郎が心から祝福していることはわかるし、研究者にしかわからない心境なんだろうとは思うんだけど、万太郎の負の感情を描いてなさ過ぎて、あまりの心の動かなさに自分でもびっくり。
植物学は次の段階に入っている。でも、万太郎は神妙な顔をして見せるだけ。これって、ユーシーのときもその手で逃げた。いつか、万太郎の田邊への気持ちは描かれると思っていただけど、神妙な顔して終わってしまった。いや、描いているとは思うんだけど、田邊の感情をあんなにわかりやすく描いた割に、万太郎の負の感情はハッキリ提示しないの何でなの?
今回の東大出戻りエピでは7年というブランクがあるのだから、万太郎のジレンマは描けたはず。自分は取り残されているのか? 自分の進んできた道は間違っているの? もしここに田邊がいたら? 彼と手を組んでいたら立場は違っていたのか…。万太郎にだってそういう負の感情はあるはず。そういう心境をハッキリと言葉にせず、神妙な顔で乗り切るだけではダメよやっぱり。
そこを描いてこそ、「ワシにしか出来んこと」と、万太郎が自分の植物学に向き合うシーンが生きるのに。「さあ、始めようか」だって、田邊を感じることができたかもしれない(出来た人ももちろんいるとは思うけど!
台湾の植物採集シーンはマストだった!
そんな万さんですが、台湾の植物調査の報告書を提出。(万太郎に「台湾のマダケ、面白いですろう」と言われ「面白い!」と即答しちゃう細田くん。こういう細かい人物描写は本当に素晴らしいですよね)
細田は、「オーギョーチ」の学名が台湾での呼び方を採用していることに対し「改めろ」と万太郎に迫る。報告書は、陸軍省にも提出するもの。国の機関である帝国大学の報告書に「向こうの言葉から学名を付ける」のはまずい。
「現地の言葉は消せ。国に逆らう気か?」
「わかっちょります、国が言葉を押し付けいうがは」
万太郎は、現地の言葉を学名として永久に留めると言う。
「よく考えろ。植物学教室は今、世界の植物学の頂点に立ったんだ。その同じ教室で、助手のお前がこんなつまらん真似を」←助手のお前が足を引っ張るなよって言いたいよね、細田の言い分もわかるよ。だけど、つまらん、くだらん、金にならん。そう言われてしまうことにだって価値はある。それを万太郎という人が教えてくれる。
「つまらん!? 大事なことですき」万太郎が声を荒げるのは珍しい。人間の欲望が大きゅうなり過ぎて、些細なもんらは踏み躙られていく。ほんじゃきワシは、守りたい。植物学者として、後の世まで守りたい。(木々に弾痕が残っていたのを見たと言うなら、やっぱりそれは映像で見せようぜ…)
教授を裏切る気か。←こういう恩着せ思考は消えてなくなれ!
ワシは植物学に尽くす。ただそれだけですき。ワシはどこまでも地べたを行きますき。←あー、もったいないもったいない。この旅でやるべきことがよくわかったと万太郎に言わせるなら、台湾の植物採集の映像はマストだったでしょうに!! 何でこうなった…。(大窪には悪いけど、削るならあそこだったな)
あとね。ちーちゃんの「次は弟かな妹かな?」のセリフでゾワっとしちゃったyo! 渋谷に店を持つ話も出てたりしたので、当分は妊娠しないかと油断してたよねーー。甘かった!!
で、唐突の竹雄と綾と子どもたち現るーー! 竹雄と綾で何を描くんだろうと思ったんだけど、渋谷の店を竹雄と綾に任せるとか、やめてね。マジそう言うのは見たくないよ。あ、万太郎は帝国大学、クビですかね…。ま。仕方ない。組織で働けない人っているわよね…。
・キャスト・
作…長田育恵
槙野万太郎…神木隆之介(通称神木きゅん)
槙野寿恵子…浜辺美波
槙野竹雄…志尊 淳
槙野 綾…佐久間由衣
江口りん…安藤玉恵
笠崎みえ…宮澤エマ
笠崎大輔…遠山俊也
波多野泰久…前野 滉
野宮朔太郎…亀田佳明
細田晃助…渋谷謙人
山元虎鉄…濱田龍臣
牛久亭久兵衛…住田 隆
陳 志明…朝井大智
徳永政市…田中哲司
語り…宮崎あおい
主題歌…「愛の花」あいみょん
コメント