第22週「オーギョーチ」108話
台湾への学術調査団体。弥之助経由で恩田が指名したのが、万太郎だった。
岩崎さんからも推薦があったそうだ。
「どういう繋がりなんだ」「なぜ岩崎家がお前を援助する」←細田、相変わらず小せえ男よのう。
「植物調査にかけては君がいちばん相応しいと思う」と里中先生。
万太郎は「出発はいつでしょうか」と尋ねる。7月6日。万太郎は「ひと月もない…。遅らせるわけには」とか言い出しちゃって、まさか寿恵子ご懐妊とかないよね!?とザワザワしちゃったよねーーー(汗)
ひと月では、現地の言葉を学べないと万太郎。←寿恵子の出産が迫ってるとかいう理由じゃなくてホッとしましたわw
恩田は「現地では案内人ば付くっけん。調査は日本語で進めてくんさい」と、思いっきり薩摩弁。
「それは、無理ですき。現地の人らにお尋ねせんといかんこともあるでしょうし」←これまで、自らの足で全国の植物を採集してきた万太郎にとって、その土地に住む人たちの情報がどれほど大切かわかっているのだ。
「植物だって、お国言葉によって呼び方が変わりゆうことはようけあります」
「台湾はすでに日本の統治下にあっと」
この会話の噛み合わなさ、エグいな。軍人が市井の人をまったく見えてないこともわかる。
調査団では日本語を使うように。これは命令ばい。←薩摩弁はよかとですか?
そしてシレッと、ピストルを買えと言う。え!?!? ピストル個人で買うん??
「いや、ワシはそんな…」モゴモゴと抵抗する万太郎に、恩田ついにブチギレ。
教授!!!!!←怒鳴る恩田と、ビクつく徳永と、姿勢を正す細田と、押し黙る里中先生。すんごく嫌な気持ちにさせてくるの描写やん? でも、ビクつく徳永くんを見て彼の本質は変わっていないと思えて、そこはちょっとよかったですw
彼は本当に帝国大学の学者ですか? いいですか、これは国力増強のための調査です。国益となる植物を、しっかり調査してくださいよ(標準語に直しておいたゼ?)←ってか、公園氏の演技がうますぎてめっちゃ腹立つーーーー! けど、恩田が立ち去った後、万太郎はしっかり頭を下げるのよね。この人の、変わらない育ちのよさには恐れ入ります。
里中先生が悲しそうに言う「槙野くん。世の中、変わったね」
戦争による好景気。研究予算が増えるのはありがたいが、その分、国のために働けと言われ続ける。どうする槙野くん。降りてもいいよ。
だが、私は君を選びたい。←里中先生は、植物学者としてだけでなく、万太郎の人間性を推したいのだろう。台湾を日本の統治下だと「下」に見る人間ではなく、何においても優劣をつけない万太郎に。
国家の人間である前に、大切なこと
万太郎は学術調査団の仕事を引き受けることに。徳永は、改めて万太郎に忠告をする。「槙野、これだけは言っておく。今、軍人には楯突くな」←自由人万太郎に、響いているといいけど…
「要はうまいこと調査して、成果を上げろということだからな」細田が補足する。
「細田さん、私はいつも通り…」
知らないんだお前は、留学先で日本人がどれだけ惨めか。国が力をつけて初めて、俺たちの立場も変わるんだ。←言いたいことはわかる。わかるけど、万太郎なら留学先でも惨めな気持ちにはならないだろうと思うのよね。何が自分にとって大切か、芯のある人間は強い。万太郎にはそういう強さを感じます。
教室に戻ると、そこには波多野と野宮さんの姿が。まだ青い銀杏を、何やら解剖中の様子。野宮さんは、今や助手の身分。波多野くんと組んで研究を続けていた野宮さんは、「今や顕微鏡の奥、倍率900倍の世界を描けるただ一人の画工兼植物学者」(106回、大窪の言葉より)になっていた。
「命を司どる仕組みを見たい」「一生を掛けても惜しくはないでしょう」 あの日あのとき、熱い握手を交わした2人が、今こうして研究を続けていることに胸熱でガス。
イチョウの生殖の仕組みを知るために、3年観察してきたと野宮さん。
毎日同じことの繰り返しのように、観察し続けること。大窪には「手間だけかかって見栄えもしない」なんて言われた植物学の基礎研究だけど、同じなんだよね。基礎も分類学も生理学も、コツコツと積み重ねていくことでしか成果は生まれない。
万太郎もきっと、力をもらったんじゃないかと思う。帝国大学の人間の前に、自分が志した「ワシの植物学」を。
万太郎は寿恵子に、台湾調査団を引き受けたこと、ピストルを買ってこいと言われたことを話す。「ワシは、軍の命令には反するけんど、持って行かんとろうと思っちゅう」。万太郎は正装で草花に会いに行く。銃で武装することは、草花への無礼でしかないのだ。
寿恵子は変わりに、万太郎の図譜を持って行くように伝える。
「これが万太郎さんのことを、いちばん守ってくれると思います」
モデルの方はピストルを持参したようですが、いいんです、これはドラマだから。そして、台湾では日本植物志図譜が本当に万太郎の命を守ってくれるのでしょう。
ご都合? 結構結構。大切なのはそこに込められたメッセージですからね。
国が違っても、境遇が違っても、年齢や性別が違っても、武器ではなく対話をすること。「あなたが好きなものは何? 大切なものは何?」。そのコミュニケーションだけで、分かり合えるの世界になったらいいのにね。そんなことは叶わない夢かもしれないけど、物語の中では、祈りのように描き続けたらいいと思う。
台湾に着いた万太郎、台湾語で挨拶をしてめっちゃ怒られるの巻www
でも、強さってこういうことなんだと思うんだ。「日本語をお使いください」うるせーうるせー、お構いねぐ。自分の生き方は自分で決めますってね!!
・キャスト・
作…長田育恵
槙野万太郎…神木隆之介(通称神木きゅん)
槙野寿恵子…浜辺美波
波多野泰久…前野 滉
細田晃助…渋谷謙人
恩田忠教…近藤公園
野宮朔太郎…亀田佳明
陳 志明…朝井大智
徳永政市…田中哲司
里中芳生…いとうせいこう
語り…宮崎あおい
主題歌…「愛の花」あいみょん
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