テレビで見てても楽しかった菊比べ。からの万太郎、助手になるってよ!「らんまん」 

らんまんタイトル ドラマ率直感想!

第21週「ノジギク」104・105話

104話。
寿恵子が、ようやくみえのところにヘルプを頼みに来た日、そのまま中居デビューと相成りました。ということで、この日の夜は万太郎が子どもたちを寝かしつけ。

子どもたちに「御本読んで」とせがまれて、万太郎もようやく、寿恵子の八犬伝が質入れされていることに気が付く。寿恵子が万太郎にはひた隠しにしていた金銭出入簿も確認して、寿恵子が言っていた「ギリッギリ」の意味を知る。ま、この人は知ったところで金を生み出すことができないんだけどね…

しかしさ。寿恵子から中居として働くことになったと聞くと、かわいらしくヤキモチを焼き出して、それだけで収まらずガッチリ抱いたりして、あんた、寿恵子がまた妊娠したらどないすんねん!って、ドン引きしちゃったよ。怖い怖い、欲望ど真ん中の人ってやっぱりちょっと怖いよね。

さてさて。料亭「巳佐登」では、いっそん改め弥之助の提案で、菊比べをすることに。一等の菊は、弥之助が500円で借り上げて大久保に進呈するらしい。
槙野家の借金と同額にするところは、作劇としては言わずもがななんだけど、朝ドラにありがちな、新人故のドタバタ描写がないのは本当に見やすかったですね、ハイ。寿恵子はマサの言いつけ通り出しゃばらず、でも表情がクルクル変わって、見ていて飽きない。これでいいのよ、これで!

面白かったですよ、あんな世界初めて知りました。私、おっかさんやみえ叔母さんがやってきた仕事、知ってるようで全然知らなかった。私もつま先踏み入れたんだから、もう少し見てみたいです」。万太郎に報告したように、寿恵子が初めて知る世界を楽しみながら働いているのがいいのよね。つま先踏み入れた、という表現もまたニクい。

どの菊も見事でプレゼンもうまい!

105話
寿恵子は、おりんが発した「富くじ」の言葉で思い付いたのか、万太郎に菊を採って来て欲しいとお願いする。1カ月後に料亭で開かれる菊比べ、1等の菊は500円で買い取ってくれると。草花に優劣をつけたくない万太郎は黙り込む。だけどおりんさんが「ちょっと万ちゃん! 何ボンヤリとしてんのさ。あんた、草花でしか役に立たないんだからさ」って言ってくれたからスッキリーーー! 草花でした役に立たない。それな!!!!

何をボケッと考えていたのかと言えば、お寿恵の八犬伝のことだったらしい万太郎は、質屋から八犬伝を返却してもらう(金はどこから???)。まぁ、これだけだとなんだかほっこりするような話だけど「これだけは手放さんとってくれ。これは寿恵ちゃんにとって大事なものじゃき」ってアンタ、あんたの借金のために、寿恵子は泣く泣く八犬伝を質に入れたんですよぉ。なに、キリリと語ってるんのかしらん。油断も隙もないね! ま、寿恵子がうれしそうだからいんですけど。

万太郎にとっては、金よりも己の大事にしているものに価値を見出しているんだろう。それはわかるが、言いたいことは山ほどあるっ!

「草花に優劣を付けるのは性に合わんけんど。それが、金になるが言うがやったら」←はぁ、ようやくようやく。万太郎が金になることしてくれるってよ! 今までの万太郎なら断ってただろうけど、八犬伝の質入れエピによりちょっとだけ成長した万太郎。(そのうちまた、金のことなんて忘れちゃうんだろうけど!)

「今まで金のこと、任せっきりですまんかった。ワシにできることがあったら、何でもやるき」←寿恵子、今のセリフ、録音したか?(爆)

アバン明けは菊比べ当日。
菊尽くしのお料理はどれもおいしそうだし、いろいろな菊が勢揃いで目にもおいしい。
そして、寿恵子(万太郎)が用意したのは、菊の原種。豪華に咲き誇る他の菊とは違って「なんだそれは」「貧相たい」と言われてしまった、小さな菊の花。←個人的にはすごく好みだったけど!

「これは、菊の原種にございます。これらの大変見事な菊たちは、元々とは日本のものではございません」。日本のものではないとプレゼンされて、「不敬ばい女!」とか言う恩田。軍人っぽいわ、嫌いやわぁ!

みえが恩田を制して、寿恵子が語りだすわけですけど、なんなんでしょう。こんな細かいシーンは入れなくても成立すると思うんだけど、手を抜かないよね。軍人がどうしょうもない輩であることを、重ねて描く。人物描写に抜かりがなくて、SNS界隈で大河を望まれているのもわかります。

寿恵子(=万太郎)曰く、菊はもともと、唐の国で薬を使うために使われていた植物だったそう。それが日本に渡り、人々が苦心し手をかけ、見事な菊たちが生まれてきたのだそう。

ですが、この国にも原種の菊は自生しておりました。和名は「ノジギク」と申します。
ノジギクは1000年以上前から人の手がまったく入っていない。海沿いの明るい岩場や崖に生えて、生まれながらの形を保って咲いているんだそう。

どちらの菊にも優劣はございません。ですが、ノジギクとこちらの菊たち、共にそろえば、大陸と海、それから幾星霜(いくせいそう)に渡る、日本の人々の創意と工夫に、思いを馳せることができましょう。←幾星霜って言葉、初めて知りましたわ! このプレゼン、初めて聞いたときはピンと来なかったんだけど、軍人やら明治の財閥やらには、この「日本」「日本人」を強調するプレゼンに沸き立つものがあったんだろうな。

そして何より。
「何よりも、この人の国の人らには、そこまでして花を愛する心があるがいうて、胸が熱うなるじゃろう。みんなに花を愛でる想いがあったら、人の世に争いは起こらんき」←いい言葉ですよね。でも、欲深い人間という生き物がいる限り、争いがなくならないことも知っている。

弥之助が、寿恵子によくわかったと礼を伝えるところがいいわね。やっぱり、本物の金持ちは余裕があるわw
菊比べは出来レースなので、菊千代の菊が一等。いや、十分にお見事な菊でしたけどね。

弥之助は宴の後、みえに寿恵子の菊について尋ねる。寿恵子の夫は植物学者で、一生を掛けて日本中の植物が載った図鑑を作るそうだと聞く。「そりゃあ、たまるか! 花のみならず、昔の誰ぞを思い出すの」。彼が思い出したのはきっと、坂本龍馬なんだろうな。らんまんでは天狗さまでしたね。←いっそん、いい顔しちょる!

懐かしい夢のお礼じゃ。あの花、300で買い取っちゃる!

「土佐のノジギクが瀬戸内にも自生しちょったとは、ワシとしては大発見ながじゃけんど」
答え合わせも洒落ている。
弥之助がノジギクに特別なものを感じていること、土佐から採ってきたかを気にしていたこと、ノジギクとともに龍馬らと過ごした日々を思い出したであろうこと。そして、彼がノジギクを300で買い取った理由。土佐が万太郎を助けてくれたとも言えるのかな。

万太郎の元には徳永から手紙が届いていた。「植物学教室に、正式にワシを助手として呼んでくださった」。それを聞いた寿恵子の反応も悲しくてリアル。「助手!? 月給15円!? お金もらえるんですか!?」←ホント、よかったな寿恵子!!! 万太郎の菊が300円になったと聞いたら卒倒しちゃうんじゃない? ま、すべて借金返済に消えるんでしょうけど…。

「いやまさか、大学に玄関から迎え入れてもらえるとはのう」←うまいこと言ってないで、ちゃんと働けよ万太郎!

・キャスト・
作…長田育恵
槙野万太郎…神木隆之介(通称神木きゅん)
槙野寿恵子…浜辺美波
江口りん…安藤玉恵
笠崎みえ…宮澤エマ
牛久亭久兵衛…住田 隆
恩田忠教…近藤公園
相島圭一…森岡 龍(若正宗でもある)
菊千代…華 優希
マサ…原 扶貴子
岩崎弥之助…皆川猿時(又の名をいっそん)
語り…宮崎あおい
主題歌…「愛の花」あいみょん

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