第19週「ヤッコソウ」95話
植物採集旅行で出会った、山元虎鉄くん。彼が教えてくれたのは、万太郎も「初めまして」な、名もない植物。虎鉄に新たな出合いの感謝を伝えると「あなたは何をされゆう方ながですか?」と。
「ワシは植物学者じゃ」
「植物学者。先生、先生のお名前はなんて言うがですか?」
万太郎、初めて“先生”って呼ばれたんじゃない? そして、初めて自分から名乗るのを忘れたのでは? そんな出会いを経て、十徳長屋に戻ってきた万太郎。
酒に浸けて名もないその植物を持ち帰った万太郎は、一人で研究を始める。
「寿恵ちゃん、この子は、ものすごう珍しい子じゃと思う」
「うん、珍しい!」と賛同する寿恵子だったけど、うちにある本には載ってなかっから、外国の書籍を取り寄せなきゃいかんと万太郎。1冊100〜200円って、寿恵子の内職は1円とかそんなもんだったわ。事足りな過ぎる!!!
「寿恵ちゃん、申し訳ない。金が要る」出たーー! 自然過ぎる金の無心。「今度こそ出版してくれる版元を探し出す」って言っていたけど、万太郎に言いたい。お前、草花求めてるばっかりで、版元探したことあんのかよwww!
「仕方ない。借りましょう」←借金は初めてか? 今までは借金してなかったのか? いやそんなはずは…
それから半年後。波多野藤丸が、帝大発行の「大日本植物図解」を持ってくる。
著者名は、理学博士田邊彰久。版元はMARUKUNIYA
中身を確認した万太郎は「ほう。中身はワシのとよう似ちゅうのう」と大した感動も無さそう。
なんちゅーか、万太郎もわかりやすいな^^;
その日、語学の天才・波多野と、藤丸も交えて、名もない植物ちゃんの植物分類の特定作業を始める。さすがの万ちゃんもドイツ語には苦労していたようで、「我々のドイツ語の先生」波多野くんの協力が、大きな力になったよう。
夜通しかかって、名もない植物ちゃんが「どれにも当てはまらない」ことを突き止めた。
「新種どころか、植物分類学上の属も科も新しく発見ってことだよね? そんなの…」
「大発見すぎる!」←藤丸、ユーシーには黙っとけよ!
「この子がほんまに新しい科やったら、ワシは“ヤッコソウ”科とする」
学名は山元くんの名前を取って、「ミトラステモン・ヤマモトイ・マキノ」。科の名前は「ミトラステモナケアエ」
「ミトラステモン。意味は僧侶の帽子のような雄しべ」
「初めて出合うたのが、まるでお遍路さんみたいじゃった」と万太郎。それを受けて藤丸は「それならこの子は、日本で初めての新しい科。ヤッコソウ科のヤッコソウくんか」とにかくうれしそうな3人を見ていると、何年経っても、新しい発見、新しい研究成果はワクワクするんだろうね。
万太郎は虎鉄くんに手紙を出していた。虎鉄くんの名前を入れて発表することを報告したのだ。あのときの、マキシモヴィッチ博士のように。「虎鉄くんが教えてくれたき、この子を世界に伝えられます。和名は、ヤッコソウにしようと思います」
「ヤッコソウ」名前を知って満足そうなうれしそうな虎鉄くんの表情がいいね。
人は、名前がわかるとさらに愛着が沸くものなのかもしれないねぇ。
すると今度は、虎鉄くんからお礼のお手紙と植物標本が届く。
「先生も名前のわからん植物があるき、槙野先生に見ていただきたいとのことでした」
槙野先生。いい響きやねぇ。虎鉄くんの先生が送ってきた標本はどれもキレイで、それだけで植物が好きなお人であることが伝わるね。
寿恵ちゃん。初めて知ったがじゃ。ワシは一人じゃない。
ひたすら野に行ったら、きっと誰かと歩けるき。
こんなときでも、思うままに野に行けない田邊を思ってしまうワシ。ワシは田邊にご執心か! いや、田邊もプラントハンターを求めていましたからね。完全に田邊の負けではないか…。
ナチュラルに植物好きの人脈の輪を広げていく万太郎が眩し過ぎてな。私はついつい、田邊のことが心配になっちゃうんだけど、寿恵子が満足そうに幸せそうに、万太郎を見つめていたから、ま、いっか!
・キャスト・
作…長田育恵
槙野万太郎…神木隆之介(通称神木きゅん)
槙野寿恵子…浜辺美波
波多野泰久…前原 滉
藤丸次郎…前原瑞樹
山元虎鉄…寺田 心
語り…宮崎あおい
主題歌…「愛の花」あいみょん
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