傷付いたのは田邊だと思うし今後の展開が心配なのも田邊のほうなのよ…「らんまん」 

らんまんタイトル ドラマ率直感想!

第18週「ヒメスミレ」86話

初めて見る水草を前に、それがアルドロバンダ・ベシクローサだと、その知識から正体を明かしてくれた田邊教授。そして、植物学教室に出入りをする万太郎に論文を書く許可を与えた。徳永助教授からはその感謝を忘れるなよと念押しされたが、万太郎は言葉の通り、これまでの感謝は込めたが単著で論文を書いてしまった。その過ちは、田邊を深く傷つけ、もう許すことができなかった。
「Mr.Makino.今後、わが東京大学、植物学教室への出入りを禁ずる」

大窪が慌てて共著に書き直せ、謝れと言ったところでもう遅い。
「論文は書き直します。印刷も弁償します」←ここで、弁償の話を持ち出すボンボン万太郎。とりあえず、金で解決する方法を一番に口にするところが悲しい。

大窪が次は自分が指導をすると申し出るが「なぜ指導を? うちの学生でもないのに」
波多野藤丸が、万太郎が今まで植物学教室に尽くしてきたとを伝えても「自分が使うためにな」

田邊の返答のたびに万太郎の表情を映すが、どこまで彼に響いているのだろうと思ってしまう…。

植物学教室には元々、3000もの標本があった。すべて開学から5年の間に自分が指揮して集めたものだと言う。「多額の国費を費やし、世界各地から書籍を取り寄せ、コーネル大学の知識、コネクション。私でなければ、これだけの書籍を集めることはできなかった。それもすべて、この東京大学、植物学研究の礎を築くため。きみは、土足で入ってきた泥棒だよ」

大学のものを勝手に使い、自分の本まで確保したんだから、ほかに言いようがないだろう!←ここだけちょっと、駄々っ子みたいなユーシー。

どういて、そこまで…。←割とわかりやすく糾弾されていたけど、なぜ田邊にそこまで言われるのかわからない万太郎。植物学を存分に研究するために、その環境を整えることがどんなに大変かわからないんだろう。峰屋からの1000円も、どれほど価値のあるものか本当のところまるでわかっていなかったと思う。

私は植物学を裏切っては…。
この過ちこそが裏切りだろう! 傲慢で不遜。手柄ばかりを主張する。世界に向けて吠えたいんだろう。Here I am! Makino is right here. 

教授は、ワシのこと憎んでおられるがですか?←自分の非を責められて、何が悪いのかまるでわからないから今度は感情論で訴える。ズルいな、万太郎。
感情論に訴えてもダメだとわかってから、出禁にされたら研究ができないと初めて本音が出るところもズルいと思う。(決して嫌いという意味ではありません。人間の弱さやズルさの描き方が見事過ぎて震えちょります)

「出入りを禁じられたら、研究を続けることが出来ません。ほんまに申し訳ありません」
もういい。終わったんだよ。君には何度も忠告してきた。聞かなかったのは君なんだ。私の人生で、君に関わる時間は、終わった。

そして去り際「Mr.Makino.忘れるなよ。君の土佐植物目録と、標本を500点を大学に寄贈しなさい。君はこの教室のものを使って本まで出したんだから、精算しなければ」とトドメを刺しちゃうユーシー。これを単純に「ひどい」とは思えない脚本がエグい。そして、めっちゃ好き。

自分は特別に出入りを許されていることはわかっていた、と万太郎。けれど「今の日本で植物学をやるには、ここに来るよりほかはありません。東京大学が、日本の植物学の心臓ですき」とか言っちゃう。要は、万太郎にとって田邊教授の地位はもちろん、彼の知識や恩恵はすでにどうでもよく、自分の研究を続けるためにはここに来るしかないから、東大に出入りしているだけ。ほかに植物学教室程度の機関があれば、笑顔でそちらに乗り移る怖さが万太郎にはある。それを、植物バカ故の無邪気と捉えるには、田邊と万太郎は立場が違い過ぎたのだ。

失意の中、教室をあとにする万太郎。
久しぶりにバイオリンを奏でる田邊教授。←悲しい音色じゃねーか! 結局、今回の騒動で傷を負ったのは、圧倒的に田邊なんだろうなと思う。

帰宅し、「論文が気に食わなかったみたいじゃ」と万太郎。「それだけで?」と返す寿恵子は的を得ているな。それだけの訳が無いし、論文が気に食わなかったからユーシーが激昂したわけでもない。初見では万太郎のこの報告の仕方さえ、ズルく感じてしまった。

「教授は万太郎さんのこと、かわいがっていたでしょう? 万太郎さんと教授の繋がりが、これで終わりなんてことないでしょう? 何か理由がおありなんですよ」そうなのよ寿恵子。理由があるんですよ、万太郎には一生わからない、分かり合えない理由が(泣)

「だって万太郎さん頑張ってただけなのに。ただ一生懸命、頑張っていただけなのに…」
自分のために涙してくれる人がそばにいてよかったな、万太郎。ただ一生懸命頑張るだけで褒めてもらえる。これもまた、田邊教授にはない環境だと思うと、結局ずっと田邊の心の負担を思わずにいられない。

どうして、田邊教授だけを責めることができようか。そんな気分です!!!

・キャスト・
作…長田育恵
槙野万太郎…神木隆之介(通称神木きゅん)
槙野寿恵子…浜辺美波
大窪昭三郎…今野浩喜
波多野泰久…前原 滉
藤丸次郎…前原瑞樹
山根宏則…井上想良
澤口晋介…犬飼直紀
牛久邸久兵衛…住田 隆
田邊彰久…要 潤
語り…宮崎あおい
主題歌…「愛の花」あいみょん

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