第17週「ムジナモ」85話
ムジナモの開花から4カ月、12月。←この12月という設定がね、後で振り返ると効いてくるというかね。徳永くんがいないのよ…。意味のある時間経過を見せつけられて、本当、長田さんの筆力がすご過ぎてひれ伏しちゃう!
寿恵子は第二子妊娠中。いや、モデルとなった方が子だくさんだとは知っていたけど、もう2人目〜〜。園子は1歳3カ月とのことだけど、妊娠は何カ月なんだろう。若いとはいえ、なかなか大変だよね…。
しかも、研究を続ける万太郎のために、寒くても園子とお散歩へ。「寒いね、質屋さん行こうか」ってセリフが重い。万太郎が知ることのない、母娘の世界が切な過ぎねえか…。
寿恵子は楽しそうな女子学生を見かけ、聡子を思い出す。そのまま田邊邸まで来てしまったが、「やっぱり帰ろうか」と聡子には会わずに帰ることに。でも、女中に出会したことで、寿恵子の到来は聡子の耳には入った。きっと、いつかこの2人がおしゃべりできる日が来ると思う!!
田邊邸には、森有礼が訪れていた。「いや〜、寿恵子さん。突然すまんな」(また鹿児島弁!?)
「できる限りの祝いの膳を」と田邊。
「もう間もなく、わが国は太政官に変えて内閣を置くことになる」ということで、そうなった暁には、森は初代文部大臣になるのだとか。
「私が大臣になれば、田邊くんにも関わりが出てくる。それで、密談しに来たんじゃ。あはははは」←密談、ウケるw(ウケない)
森によると、田邊は「very adventurousで、実に痛快」らしい。その昔、森がアメリカに赴任した際、外務省の役人として随行していた田邊だが、アメリカに着くなり勉強を始め、役人を捨てコーネル大学に留学したんだそう。←田邊にもやんちゃな時代があったのだ。
「この男はアメリカに渡るためだけに、私を利用した。あまりにも面白いので、国費の留学生ということにしてやった」←と冗談めかして言うてても、「恩を忘れるなよ」ちゅうことですよね? 今も政府の仕事を断れない田邊の裏事情の見せ方もうまい。
「自分こそが日本を目覚めさせる、天下第一の学者になる」とも言っていたらしい。
12月下旬、伊藤博文が内閣総理大臣となり、森有礼が文部大臣に。それに伴い、美作はお茶の水の高等女学校校長を突如、罷免。代わりに、田邊が校長に就任することになった。「政治にもご熱心なようで」去り際に、また嫌味を言われてしまう田邊。←さすがに、田邊のHPが心配になるわ。
「ご熱心なあまり、本業がおろしかにならないといいですな」と、植物学教室が業績を出せていないことまでチクリ。けれど、田邊には万太郎に書かせている論文がある。
「ご心配なく。今、面白い発表を準備させています」
アルドロバンダ・ベシクローサ、和名ムジナモ。
万太郎は、ムジナモの研究に没頭中。幼子と妊娠中の妻が、自分のために外で時間を潰していることなど気が付きもしない。だってムジナモは面白いから!←はぁ、寿恵子のHPも心配だ…。
ムジナモの特徴を解説する万太郎の声と絵を描く万太郎の姿。それに重ねるように、田邊との回想が入る。印刷工程の描写とともに、植物学教室のメンバーとの回想シーンが続く。←田邊教授の決別への運びを、回想シーンで畳みかける。回想とはこうやって使うものだという、お手本のようなお見事な脚本。恐れ入っちゃう!
「Mr.Makino.論文を書け。見つけたものが報告する。当然だろう」
ワシ、感謝しちゅうき。うんと感謝しちゅう。
「万さんと出会えなければ、僕はきっと植物学がこんなに楽しくなかったし、頑張れなかった」
「本当にそう。万さんが大学に来てくれてよかった」
「だが私は、ユウガオが好きだ。源氏物語に出て来るからだ」
「お前が植物に抱く心、傍にいて知りたい」
「すごいよ、大窪さん、万さん」
「新種発見じゃーー」
みんながおったきこそ、ワシはこの1枚が描けた。
そんな風に感謝を込めた万太郎の、ムジナモ論文が載った植物学雑誌が刷り上がった。
植物学教室の皆がそれを手にして、また万太郎への絶賛の声をあげる。
「これがムジナモ」「花が…。この拡大図、どうやって…」「種子の断面まで」
「こんな植物画を描けるのは、槙野万太郎だけだよ」
ここで雷鳴が!? ←藤丸、もう少しユーシーに配慮をぉぉ(時すでに遅しだけど!)
Mr.Makino.君は、自分の手柄だけを誇っているんだな。
慌てて表紙の執筆者名を確認する大窪、波多野。
「おい、教授の名前は?」(ここで気づいても時すでにお寿司なの!!)
ここからは、田邊側の回想が入ります。
「そんなことはない、私の戸隠草は…」「花は咲かなかった!」(ご丁寧にムジナモの花の映像までw)
そりゃもちろん、感謝しちょります。ほじゃき、懸命に描いて…
「お前が見つけたムジナモがアルドロバンダ・ベシクローサだと突き止めたのは教授だ。だがお前は、自分が見つけたという報告しか書いていない。いかに貴重なものを見つけても、なんであるかわからなければ論文は書けなかったはずだ。当然、教授と共著の形にしなければならかった」←なら、事前にチェックしてやれよwwww
「教授、申し訳ありません。事務局長の私の落ち度です」大窪は頭を下げてくれたけど、なというか、大窪や波多野的に、田邊の名前は当然、論文の中に入っているものと思っていたんじゃなかろうか。
野宮さんが言った万太郎の「無知」とはおそらく、研究畑で生きる者として当然持ち得る礼儀、大人のたしなみ、みたいなものを指していたのかなと。徳永が「この感謝を忘れるなよ!」と念押ししていたけれど、万太郎にはもちっと具体的な指示を出してあげなきゃいけなかったのよね。いやでも、さすが「わかれよ!」って気分だろうけどw
「槙野、とにかく教授の名だ。共著の形に改めろ」
「あ…、きょ、共著…?」←万太郎、言われている意味がわからないのか、共著にする意思がないのか、今の時点では読めないな。
もういい。ふふふ、あははは。←もう、笑うしかないのよ、ユーシーのHPはゼロに近いの!!!
「ひとまず槙野さんに」
「槙野さんのほうが優れています」
「すごいよ万さん」
「槙野さんが遊びに来てくださらないかしら」
「槙野に礼を言うことです」
何を期待していたんだか。←言ったって、田邊は万太郎の恩師だからね、そりゃ期待もするよ…。
もういい!Mr.Makino.今後、わが東京大学、植物学教室への出入りを禁ずる。
ポカン顔の万太郎に、同情できないよ。あまりにも脚本の運びが見事すぎて、むしろ、ユーシーに同情しちゃったよ!! 恩を形として返し続ける田邊教授との対比、エグっ!
バカバカ、万太郎のバカ!なんで今まで出来た根回し的なことが抜けちゃったのよって思っていたんだけど、ツイッタランドで「万太郎の慢心」やら「田邊教授への甘え」やらの指摘を読んでまた唸ってしまった。
マキモヴィッチ博士とも直にやりとりしてたの、気にはなっていたんだよね。感謝感謝と言いながらも、どこか天狗になっていたところもあるのでしょうか。ま、あるよね、万太郎だってカエルじゃなくて人間だもの。とにかく、脚本に恐れ入ったという気持ちです!!
・キャスト・
作…長田育恵
槙野万太郎…神木隆之介(通称神木きゅん)
槙野寿恵子…浜辺美波
大窪昭三郎…今野浩喜
波多野泰久…前原 滉
藤丸次郎…前原瑞樹
田邊聡子…中田青渚
山根宏則…井上想良
澤口晋介…犬飼直紀
野宮朔太郎…亀田佳明(回想)
森 有礼…橋本さとし
徳永政市…田中哲司(回想)
田邊彰久…要 潤
語り…宮崎あおい
主題歌…「愛の花」あいみょん
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