第17週「ムジナモ」84話
寿恵子と園子が寝ている中、万太郎は持ち帰った水草を調べていた。
根がないこの子はどこから養分を取っているのか。光合成だけで大きくなっているのか? 水草について調べるには自分の書物だけでは限界の様子。
「やっぱり大学じゃないと本が足らん」←万太郎は草花の申し子かもしれないけど、彼の偉業は彼だけでなし得ない。大学という機関の大切さが伝わるセリフだと思う。
万太郎は水草を持って、植物学教室へ。
藤丸は「愛くるしい。こういうの大好き」らしい(^^)
波多野もニコニコ、大窪、徳永くんもガブリつき。(後ろには二年生コンビもいました)
「根がないぞ。輪っかから放射線状に葉が生えている。水車のような」←
「歯の先には触手みたいのが出ている。なんだ?」
「根がなくて養分はどうしてるんだ?」←
「光合成だけで生きちゅうがですかね?」「にしては大きいよね?」「繁殖はどうしてるだ?」
とにかく、根がないことが気になる皆さんがおもろい。新たな植物を見ると、いろんな疑問が湧き出て止まらないんですねぇ。そこへ、田邊教授がやってくる。
万太郎にもわからなかった水草の種類を、田邊は「心当たりがある」と。ダーウィンの著書から、この水草が多年草の水生植物で、一属一種の食虫植物であることを伝える。
「教授、よくぞ」と言っちゃう徳永くんを挟むあたりが、らんまんっぽいなと。徳永くんが抱く、田邊への複雑な感情がなんとはなしに伝わってくる。こういうところも、らんまんの好きなところです。
「教授、ありがとうございます。私だけではサッパリわかりませんでした」
「一属一種なんてものすごい」←そうなん?
「しかも、食虫植物」
「だが、新種じゃなかったな」
いや、このアルドロバンダ・ベシクローサ(水草・食虫植物。ググったら日本では1967年に絶滅しちゃったみたいだね)は、かのダーウィンをも魅了した植物だ。進化論を研究されている段階で、かなり詳しく研究されていたが、この植物が世界で初めて発見されたのは、インド。そしてヨーロッパの一部と、オーストラリアでしか発見されていない。
それがこの日本で発見されたとなれば、大いなる発見だ。発見が報告されれば、世界中が驚くだろう。
私は…どうしたら…。
「Mr.makino.論文を書け」
万太郎は、自分が論文を書いてもいいのかと問う。学歴がないからね…。
見つけたものが報告する。当然だろう。論文には植物画をつけろ。このアルドロバンダ・ベシクローサの植物画はまだ見たことがない。日本の発見報告と植物画がそろえば、世界中の植物学者が、必ず注目するはずだ。Mr.makino.やれるな。←なんだかようやく、本来の教授のいい面が出てきた、か?
講義に向かう田邊に万太郎は改めて礼を言い、ユーシーは満足げに頷いて教室を出ていく。そして徳永きゅんは、「教授がお前に世界への花道をかけてくださった。この感謝を忘れるなよ!」と万太郎に伝える。
ご恩と感謝というのは一歩間違えると、不正や隠蔽にもつながりかねない危うい関係性だな、と思ってしまうことが悲しい。本来であれば、恩がある人への感謝は忘れないもの。シンプルで当たり前のことなのにね。
「寿恵ちゃん、園ちゃん」帰宅すると寿恵子を抱きしめる万太郎。「どうしたんですか、うれしいことでもあったんですか?」←神木きゅんと浜辺さんだと、ハグにいやらしさが感じられず清く映るのだんでだろ〜♪
教授が、ワシを認めてくださったがじゃ。いや、まだじゃ。世界の度肝を抜く絵を、描いてからじゃ。
その夏、万太郎はムジナモ研究を進めながら、『日本植物志図譜』の第三集を刊行。藤丸は変形菌がわからな過ぎて、誰でもいいから海外の人たちと交流したくなったらしい! 万太郎は言う「楽しくなるき」←そうなんだよね。誰かと交わることって楽しいことなんだよね。隠キャの私にはハードルが高いけど!(汗)
徳永助教授が、巣立ったぜよ!
徳永助教授は、大学を休んで留学に行かせて欲しいと田邊教授にお願いしていた。
今、この国の植物学の夜明けは終り、陽は登り始めました。
波多野、藤丸、そして槙野と、若い者も続々と出ています。懸命に学んできましたが、正直、このままでは私がわが国の植物学の水準に追いつけなくなる。
「遅いくらいだ。さっさと行っておいで」←ユーシーらしい言い方。そして、徳永くんも田邊がそう言ってくれることをわかっていたと思う。この2人の関係性もまた、違った角度で見てみたいものです。
「徳永くん。留学から戻ったら、君も教授だな」←はなむけの言葉がまたいいじゃないの!
「努力いたします」←徳永くんは努力の人なんだ。元々は法学志望で燻っていたときに、田邊教授に手を差し伸べられて植物学の道にやって来た。「どうやってここに来たかは問わない。だが、そこから変わっていけるかだ」と学生に伝えた通り、彼なりに努力して助教授になり、万太郎に出会ってまたもっと努力したくなったのだろう。
そして、ムジナモの花を発見する万太郎。「ムジナモが開花しちゅうき!」
田邊教授の元を巣立つ徳永くんを映しながら、「開花しちゅうき」の声が入る。なんだか、素晴らしい流れで唸っちゃいますね。留学に行け行けと言われ続けていた徳永くんが、やっとこそさ、留学すると決めたのだ。それを「開花」というセリフで祝っているのだろうと思う。←わかるやつにだけわかればいいやり方で(多分)
だって徳永くん。「ここはどこだ東京大学!」なんて言ってた人なんですよ(嫌いじゃない)
「徳永くん、君は本っ当に旧幕時代の化石だね。さっさと留学しておいで」と言われていた人なんですよ! そんな彼が、留学に行くってさ。開花だよ、ブラボーだよ。
「花が咲いただと!? ムジナモが開花するとはどこにも…」
「これまでの発見地では気候や環境の要因で、蕾が開かなかったのかもしれない」←冷静な田邊教授の解説がいいですね。
「では、ムジナモの花は世界の誰も知らない、あり得なかったはずの花」「槙野は咲かない花さえも咲かせてみせた」←ここ、あり得ない花ではないし、万太郎は花を咲かせるために何かしたってわけじゃないから、いささかドラマチック過ぎるセリフかな? キメ過ぎかな? とは思ってしまった。ま、キメにきて何が悪いんじゃって話ですね、そうですね、すいません。
間違いないのは、万太郎はとにかく植物に愛された男、運を引き寄せる男ってことでOK!?
・キャスト・
作…長田育恵
槙野万太郎…神木隆之介(通称神木きゅん)
槙野寿恵子…浜辺美波
大窪昭三郎…今野浩喜
波多野泰久…前原 滉
藤丸次郎…前原瑞樹
山根宏則…井上想良
澤口晋介…犬飼直紀
徳永政市…田中哲司
田邊彰久…要 潤
語り…宮崎あおい
主題歌…「愛の花」あいみょん
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