第17週「ムジナモ」81話
万太郎と寿恵子に第一子、園子が生まれました。
「園子。この子の人生に、ありとあらゆる草花が咲き誇るように」
アバン明けは田邊邸。
聡子が田邊教授にお酒を運んで来て、教授は森有礼からの手紙を読んでいる。
「政府のお仕事でございますか?」←田邊はまた政府のお仕事。彼は本当に万太郎と真逆で、やるべきことを着々とこなす人なんだよね。これを対比と言うのでせいうか。
外国を学ぶには英語が必要だが、今はその英語も日本語に正確に置き換えられずにいる。ならばいっそのこと日本語は捨て、国語としては英語を採用すべきだと森は考えている。外国人にとっても日本語は難しい。ヨーロッパで広まっているタイプライターも、日本語では使えない。
だから日本語の音はそのままに、仮名も漢字もやめることを提案している。代わりにローマ字を使えばいい。←ええ! そういう考え方ぁぁぁ! この時点で、誰しもが英語を話せるような教育システムを考えてくれればよかったのに!!! なぜそっち方面に行ったんだぁぁぁ! This is a pen. を覚えさせられた世代の恨みは深いぞ。
「Nippon にっぽん」それなら外国人も日本語がわかるし、日本人もタイプライターが使える。日本人がローマ字に慣れれば、いつかは森さんが目指すところへも届くかもしれない。←目指すところが森有礼の考えるところに焦点を当ててしまうからダメなんだろうねぇ。「英語を学ぶにはどうするのが一番いいか」という方面で考えてくれればいいのにね。
とまぁ、未来人のワイはツッコミまくってしまう田邊の話も、聡子は「音が変わらないなら、こうして普通に喋っていていいのですね」と、肯定も否定もせず、けれど自分たちの生活への影響を考えられるあたり、やはり聡い人なんだよね。ユーシーもその返事にたいそう満足げ。
しかも「旦那さまほど、ご立派なお方はいらっしゃいません。聡子は旦那さまにお使いできて、幸せにございます」なーんて言っちゃって、ユーシーの心が久々にほっこりできたんじゃない?
田邊教授が勧めたブランデーをひと口飲んで、その味にびっくりする聡子とその反応に声をあげて笑うユーシー。夫婦の数だけ、夫婦の幸せなひとときってありますわよねぇ。
「シダが綺麗ですね。また会いたいです。お寿恵さんに。槙野さんと遊びに来てくださらないかしら」「聡子、槙野はもう二度とここへは来ない」
聡子は思わず「どうして?」と聞いてしまうが、その問いには答えず机に向かうユーシー。
「そうなのですね」と聡子は答えを追求しない。だって彼女は聡い人だから。でも、田邊教授のプライドで固められた心の扉を、開かせるのは聡子にしかできない気がしています。聡子のやり方で、田邊教授をラクにしてあげて欲しいなぁ。
命が生まれてくるのは奇跡!ほんそれな!
万太郎は、持ち帰ったランの新芽と園子に夢中。
「唇弁が透けて、ほんまにコオロギの羽みたいじゃ。園ちゃんの爪もまっこと綺麗じゃあ。こんまい桜貝みたいじゃあ」
「泣かせないでね」←寿恵子、渾身の願い!!
そんでもって牛鍋屋で、波多野藤丸と集う。万太郎はほんまに、好きなものだけに囲まれて生きとるな!
万太郎が描いた園子の手や足の絵を見て「かわいいねぇ」って言い合う波多野藤丸、きみらも相当かわいいぞ!←この辺りは令和的男子って感じの描写だけど、ワイちゃん大好物です。
ランの唇弁のギザギザもかわいいし、園子のまつ毛もかわいいらしい。
「わかるよ。赤ちゃんは胎内の中で成長して生まれてくる、植物は種子の中で成長する。受粉してから何が起こっているのかね」
「奇跡じゃのう!」←これは確かに!!!
「波多野の卒業と助手就任を祝おうて」「赤ちゃんの誕生と採集旅行おかえりを祝って」「いつもの顔ぶれを祝って」、牛鍋を食う3人。寿恵子にもお持ち帰りせえよ万太郎!
藤丸は採集旅行で「なんだかわからないもの」を見つけたらしい。
朽木に黄色い菌が蔓延っていたが、次の日は別の場所にあった。さらに次の日にはキノコみたいに胞子を飛ばしていた、らしい。
「動くってことは動物の仲間。胞子を飛ばすってことは植物の仲間。動物と植物の性質両方をもっているってこと!?」
「な、面白いだろ。今は形を変える菌だから、変形菌って呼んでる」
また大学に戻って、それが何かを調べるらしい。「うさぎも待ってるしね」に思わず「うさぎだけじゃないよ!」って言っちゃう波多野、かわいいかよ!!!
万太郎が新種(と思われる)を見つけたとき、藤丸も一緒にいたから発見者はどうなるのか波多野が尋ねると、藤丸がおにぎりを食べてたその瞬間に、ふっと見てもう見つけていたらしい。要するに、万太郎だけが発見者ってことでOK? 凄技すぎて「悔しいとかちっとも」らしい。
万太郎は「呼ばれゆう」と表現するけれど、それを波多野が「長年の経験や観察が勘になってなってるんだろうね」と言ったことで、それは例えば脚本家や漫画家たちが、「キャラが勝手に話しだす、動き出す」という話と同じなんだろうなと思うなど。
万さんの名付けは、ただ愛したいだけ。
だから、誰に何を思われようがどうだっていい。「小学校中退のくせに図々しい」「傲慢」「野心家」「運がいいだけの田舎者」「お調子者」「ボンボン」「身の程知らず」「人たらし」「笑ってればなんとかなるんだろう」←朝ドラ主人公への悪口、どんどん出てくるじゃ〜んw
帰り際、波多野も「言いたい」と2人を引き止め、胸の内をぶちまける。
改めて僕も、めちゃくちゃ運がいいなと思ったよ。万さんと出会えて。万さんと出会えなければ、僕はきっと植物学がこんなに楽しくなかったし、頑張れなかった。
本当にそう。万さんが大学に来てくれてよかった。
教授に出入りを許してもらえなかったら、今のワシはない。
あの日、田邊教授は万太郎を否定した徳永助教授を一蹴し、万太郎を歓迎した。「徳永くん、君は本っ当に旧幕時代の化石だね」←徳永くんの顔、どうしても笑っちゃうよごめんだよwww
波多野は言う。「万さんの思いも努力もあったからだよ」
「一生掛かったち、返せん恩が教授にはある。ワシのすべてを植物学に尽くすがじゃ。それが一番の恩返し」
その田邊は、植物志図譜のヤマザクラを思わず愛でていた。が、ふと我に返って図譜をピシャリと閉じてため息をつく。彼の後ろ姿でエンド。一体、何を考えているのかしら…。
田邊のターンになると雷が鳴るのよね。しつこいくらいに。これはきっと、彼の心もいつか晴れるということだと思う!
・キャスト・
作…長田育恵
槙野万太郎…神木隆之介(通称神木きゅん)
槙野寿恵子…浜辺美波
波多野泰久…前原 滉
藤丸次郎…前原瑞樹
田邊聡子…中田青渚
徳永政市…田中哲司(回想)
田邊彰久…要 潤
語り…宮崎あおい
主題歌…「愛の花」あいみょん
コメント