万太郎、植物学者として世に認められたってよ!「らんまん」 

らんまんタイトル ドラマ率直感想!

第16週「コオロギラン」76話

先週の振り返りからスタート。
「ギリシャの物とは違う。日本だけの種」「うお〜〜〜〜〜!」
万太郎と大窪は、ヤマトグサを植物学雑誌に新種発表。日本人が初めて、日本の雑誌に学名を発表した史上初の快挙、だったそうな。

加えて万太郎は「日本植物志図譜」も発行し、植物学者の一人として、世に認められることになりました。大学も出ていない、留学もしていない。草花が好きなだけで学び通した人が選んだ道は、正直、凡人からしたら遠回りのように見えるけど、万太郎にはその道しか進みたくなかったんだもんね。人間、できる努力とできない努力はありますわね。

そして田邊教授が研究する戸隠草は、伊藤孝光くんのやり方で伊藤家に取り返されてしまった。
「戸隠草を新属RANZANIA T Itoとして発表したのです。これにより田邊の名を冠した学名は、発表できなくなりました」

このニュースは、植物学教室の面々も知ることとなる。
孝光と接点があった万太郎は、「泥棒教授」とか「三代で追いかけてきた花」とか、そんなことは言わずに「戸隠草については、こだわっちゅうようでした」とみんなに伝える。ほんと、クレバーな人だな。

RANZANIAというのは本草学者小野蘭山のことで、本草学の大家の名を冠して伊藤が発表する。そこに込められたメッセージは「戸隠草は渡さない。伊藤家の執念だな」。

「田邊教授はどうなるがですか?」「もう遅い」。どれだけ進めていても、どれだけ努力していても、一手負ければそれで終わり。「これが学者の世界だよ。新種の発表は一刻を争う」

東京大学植物学教室は、新種ヤマトグサを発表していたから「面目が保てる」と徳永助教授。あれは運がよかっただけだと万太郎は謙遜するが、「運も大事なんだと思うよ。教授には運がなかった」と波多野。

自分のことじゃないのに話しながらどんどんHPを削られていた藤丸は「やだな。こういうのって仕方なかったで済ませるんですか?」と弱音爆裂。
何もかもが無駄になっても、運が悪かったで済まされて。研究ってそれに立ち向かうことですか。そこまでして新種発表とか名付けとか、競わなきゃいけないんですか。「誰が発表したって花は花じゃないですか!」藤丸ぅ…。

「どんなに研究したって、明日すべてが無駄になるかもしれない。そんなの心が持つんですか」藤丸ぅ…。確かに、ゴールが見えない中でコツコツ積み重ねてきたものがすべて無駄になってしまう世界って恐ろしい。

やるんだよそれでも。ここはそういう場所だ。一人一人が自分と戦う、戦場いくさばなんだ。他人がどれだけ成果を出そうが心を揺らさず、自分の研究をするしかあるまい。←研究の世界に限らずね、他人の成果に心を揺らされてしまうことはあるあるだな。

藤丸の親友波多野は「藤丸は弱い」と、でも「だから変わらないと」と。卒業したら学者として巣立つことになる。研究してたらあること。慣れないと。誰だって怖いに決まってる。でも、それで辞めたら掛けてきた時間まで否定することになる。だったら、競い続けるほうがましだろう。

研究者にしかわからない、彼らの孤独や痛みがあるんだろうな。まして今や、学問に「金」になるかも問われている時代…。競い合い、盗み合い、おそらくマウント合戦も。メンタルが削られまくる世界だな。

藤丸は、そんな世界を前にして、草花がただ好きだという気持ちを思い出したいのかもしれない。どんなにつらくて孤独な道も「好き」の気持ちがあれば乗り越えられそうだもんね。目の前にそうやって生きてきた男がいることだし。

田邊が変わるきっかけは聡子かもしれない

聡子は、玄関先で田邊教授の帰りを待っていた。
「寒いから家で待っていろと言っただろう」
「でもここにいれば、女中さんより先にお帰りなさいが言えますから」

田邊を気遣う聡子に、田邊は「聡子はシダに似ているのかもしれない」と。

「シダは、花も咲かせず種も作らない。旦那様、そうおっしゃっていましたね。子は産めます。前の奥様には敵いませんが私もきっと…」
「いや、得難いと言っているんだよ。私はお前の静けさを愛しているだ」

お仕事で何かあったのですか?
言ってもわからないだろう。
はい、わかりません。申し訳ありません。
それでいい。←わかるよ。田邊は家に帰って来てまで、うまくいっていない仕事の話をしたくないのだろう。聞こえてくる声以外にも、人の視線や思惑など、田邊教授の周りは騒がしいはず。

だから、聡子には静けさを求めるのだ。でも、それでは田邊は変われない、と思う。

聡子はわからないと言うが、寿恵子だって草花のことはわからないのだ。それでも万太郎が楽しそうにうれしそうに草花の話をするから、寿恵子もどんどん草花のことが知りたくなる、好きになる。竹雄が寿恵子への申し送りで言っていたではないか。何気ない会話でも、万太郎のヒントになることがあると。

万太郎にとっての、寿恵子や竹雄、波多野藤丸のような存在が田邊にも必要で、その役をきっと聡子ならこなせると思う。だって、聡子は田邊教授が好きだから! そのことを、今の田邊が気づくことはない。だからこそ、シン・聡子に期待だよ!!!

・キャスト・
作…長田育恵
槙野万太郎…神木隆之介(通称神木きゅん)
槙野寿恵子…浜辺美波
大窪昭三郎…今野浩喜
波多野泰久…前原 滉
藤丸次郎…前原瑞樹
田邊聡子…中田青渚
伊藤孝光…落合モトキ(回想)
徳永政市…田中哲司
田邊彰久…要 潤
語り…宮崎あおい
主題歌…「愛の花」あいみょん

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